最終話
出てきた魔物を倒し城壁内に帰り2人は別れる
夢は騎士団にカメラを提出してから家に帰る
それから騎士団は奪還作戦の為に異能騎士を派遣する
夢とゼラも何度も参加する
そしてルナルールスと一緒に行動をする
あのレベルの魔物はそうそう居ないが念の為に護衛として連れていく
「流石にもう居ないよね?」
「知ってる限りだとーあの強さはそうそう居ない。けど新しく生まれた魔物は知らないからなぁ。あの魔物は新しいかも?」
「新しく生まれた魔物?」
「魔物の世界は多くの魔物が毎日ずっと戦ってるから大量に死ぬんだよね」
「戦い続けてるならそうか……」
「魔物はどうやって産まれるの? 親は?」
「居ないよ。そもそも人間みたいに繁殖する存在では無い」
魔物は突然生まれる
姿も変わらず戦いに身を投じる
「謎な生物だね。生物ってカテゴリーで良いのかも謎だけど」
「さぁ? 魔物はいつの間にか生まれて殺し合うから無限に生まれ続けてる。神が作ったのは知っているけどその神もよく分からないし」
「異能者が死んだらその異能は消えるの?」
「分からない、少なくとも私が知る限りだと同じ異能を持つ魔物は居なかった」
「成程」
「魔物の私が言うのもあれだけど本当に謎だからね魔物は」
雑談をしながら魔物を倒し偵察を進める
魔物は多いが強い魔物は出てこない
ルナルールスが糸を振るって切り刻んでいく
ゼラが付近の地面や建物を確認して夢がカメラを起動して写真を撮る
順調に進んでいく
「余り離れないでね〜」
「わかってる。次は無いように気をつける」
あの魔物と戦闘になったのはゼラが注意を怠っていたからだった
ルナルールスの視界外に出ないように気を付けて周囲を歩く
「潜んでると分かりませんね」
「魔物エリアは特に瓦礫とか半壊した建物、視界を遮る物が多いのが厄介」
瓦礫や半壊した建物は視界を遮る
魔物が近くを通っていても遮られていると姿が確認出来ない
「壊せば?」
「まだ使える資材とか道具とか見つかるからできる限り保存したいんだって」
人の手から離れて5年
道具であれば埃を被っているだけで使える物もある、少し壊れている程度なら直せる
そう言った物を回収するのも重要、都市は物が足りていない
「戦闘したら壊れるのに」
「戦闘で壊れたのは仕方ない。それはどうしようも無いから」
「戦闘と言えば異能騎士が壊すケースも有りますね……私もよく巻き込みます」
「属性系の異能は特に仕方ないから」
炎や氷、風などの攻撃はどうしても周囲を巻き込んでしまう
属性系の異能で強い異能は基本範囲が広い事が多い
その為、魔物エリアなどの戦闘では建物を破損するケースがある
「僕の異能も建物破損させるから言えた事じゃないけど」
「剣を飛ばすからね〜外したら突き刺さりそう」
「それで何度か建物に剣を突き刺した事がある」
「ま、まぁ優先は魔物討伐ですから」
「強い魔物相手だと気を付ける余裕は無いからね」
問題なく偵察を終える
ルナルールスと別れて騎士団に向かう
「騎士団長が待っています」
「わかりました」
騎士団本部に入る
「呼び出し?」
「偵察の時の写真に何か写ってたとか?」
「ルナが写ってるかも……」
「……それはまずいね」
ノックをして執務室に入る
「来たか」
「何用ですか?」
「奪還作戦の件だ。お前達のお陰で多くの情報が手に入った。それで奪還作戦時に魔物の討伐をお願いしたい」
「魔物の討伐ですか? それは城壁を築く際に参加するという」
「いや、君達以外の部隊が確認したエリアに異能持ちの魔物が確認された」
(他にも居たのか。多いな)
「その討伐をと……分かりました」
「分かりました」
「取り巻きは他の騎士が担当する。作戦開始時に一斉に叩く」
「それは他にも確認されたと?」
「あぁ、少なくともそこらの魔物とは違う魔物が他の地点でも確認された。我々はそちらの討伐へ行く」
「1体ずつの討伐の方が確実だと思いますが」
「範囲が広いからなそれだと時間が掛かりすぎる。肉体的にも精神的にも辛い状態を作りたくは無い」
人は疲れているとミスを犯す
そして動きも鈍くなる
(確かにそれは一理ある)
「守護隊やルナルールスも居るから防衛は問題ない」
「……配信するんですね」
「そうだ」
秘密裏に1体ずつ倒していく事も出来る
それをしないのは配信の為、前回ルナルールス戦で色々と噂が立った
それを払拭するには大規模作戦の成功が1番確実と言える
配信するだけなら1体ずつ倒す配信をすればいいがそれではインパクトに欠ける
危険は承知だがその為の準備と手段を騎士団は今手にしている
(騎士の戦力を分断するから危険)
英雄と呼ばれる実力者が居て異能騎士の中には単独で3等級の中ボス、主の討伐を成した者
それ以外にも強力な協力者が居る、成功の確率はかなり高い
大きな功績に盲目的にしがみついている訳ではなくしっかりと成功出来る自信があるが故の決断
「お前達には重荷を背負わせる事になるが頼んだぞ」
「お任せを」
「はい!」
着々と騎士団は奪還作戦の準備をしていく
ゼラは手品のショーをしたり魔物狩りをして待つ
奪還作戦1週間前、騎士団は大々的に宣言をした
都市内は驚きと歓喜、心配の声に包まれる
そして作戦実行の日となり騎士及び協力する探索者が城壁の外に集う
その中に灰色のローブを身につけたルナルールスも混じっている
そして騎士団長のレイが前に立つ
「よく集まってくれた。これより我らの領土を取り戻す。失敗は許されない、総員武器を取れ! 我らは侵略者共を殲滅し守護する者なり! 我らの勝利を以て反撃の狼煙を上げる!」
「おぉぉぉぉぉぉ!」
「行くぞ!」
「取り戻す。俺達の故郷を取り戻すんだ!」
騎士や探索者が武器を掲げ雄叫びを上げる
仮面が外れないように調整する
異能で作った刀を握る
深呼吸をする
「行きましょう」
「あぁ、行こう」
夢とゼラは魔物と対峙する
作戦が始まる
舞台の幕が下りるまで 代永 並木 @yonanami
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