第26話 リビングのデッドスペース本棚

 私は自室の本棚の他に、リビングにも本棚を設けている。

 あるのは邪魔にならないデッドスペース。

 いちいち自室に本を取りに行くのが面倒になって、ある日思い立ってカラーボックスを買ってきて本棚とした。

 主に新書と小説が占めているが、よく使う文房具や、上にはお菓子まで乗せている。

 大抵のことはスマホとタプレットで済ませてしまうので、体裁はミニ書斎といったところか。

 デスクトップパソコンは持っているのだが、折りたたみキーボードを含めたタプレットをパソコン代わりにしているので、自室とリビングを行ったり来たりしている。

 めんどくささが生んだ産物だが、これがその後の生活を大きく変えてしまうことともなった。

 場所を変えて本を読むことは気分転換にもアタマにも良い刺激になる。

 このリビングのデッドスペース本棚は流動的に捉えている。

 これは、と思った本は残しておいてさほどでもない本はどんどん図書館に寄贈するなりするして処分し、「今生きている」状態を常に保っておく。

 自室は聖域のようなもので、殿堂入りした本のみ所蔵してある。

 こうすることで、有機的なリズムが生まれ、本生活にもメリハリが生まれることになる。

 波風の立たない生活も良いものだが、人生にはなんらかのスパイスが欲しいものだ。

 リビングのデッドスペース本棚はそれに応えてくれている。

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