第7話
アジトは、地下に巨大な空間をもっていた。広さでいうと淡路島くらい。そこにはいくつかの太陽がいつも浮かんでいて、だだっ広い湖があり、砂や樹木にあふれていた。水族館もあった。
「サイコロに似せて作ってあるんや」普段からサイコロを意識して生活できるように、ということらしい。「水族館では、わにの生態を研究しとる」
いったいどうやって、この広大なエリアの環境を維持管理しているのだろう。
「アジトがどういうシステムでまわっとるかわからんやろ?」僕は、うなずいた。
「庭師や」
「にわし?」
「庭師たちが、太陽や木々の世話をし、砂をととのえ、湖の生態系をチェックしてくれとる。それだけやない、今朝の料理も庭師が作ってくれたんや」
「ここでは庭師がおらんと何もできん。落ち着いて、訓練も研究もできんのや」
仕事ひとつとっても、知らないことが多く、新しいことも多い。この世界は、僕にはわからないことだらけだ。
僕にはわからないことだらけだけど、ひとまず、サイコロにいくことだけを考えて生きていくことにしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます