その頃、曹昂は
曹操の元に曹仁の文が届いていた頃。
曹昂は未だ許昌におり、各地からの情報に目を通していた。
「涼州を除けば、概ね治安は良く問題は起きていないか」
報告書を読みつつ、曹昂はこちらは問題ないなと思いつつ、揚州に関する報告書を広げて中を改めた。
「丹陽郡に兵を送るか。むぅ、何とも凄い時期に攻め込むな・・・・・・」
劉備が去った事で誰も治める者が居ないからこそ出来る手と言えた。
これで、兵を出した事を非難しても「逆賊から天子の領地を奪還した」と言われれば、非難しづらかった。
曹昂は目を瞑り考え込んだ。
「・・・・・・孫権は丹陽郡を手に入れてどうするつもりだ?」
そう呟くが、部屋には背もたれ代わりにしている愛犬の哮天しかいないので、誰も返事はしなかった。
曹昂は誰か相談できる人を連れてくれば良かったなと、今さらになって後悔するのであった。
どうすべきかと、頭を捻った。
「・・・・・・この状況で攻め込んでくるという事はないだろうけど、一応備えておくか?」
合肥あたりに誰か将でも送ってくれるように、曹昂は父に頼もうかと考える。
暫し考えた後、此処は荀彧に相談してから送る事に決めると、文を送る事にした。
文を認め終えると、人を呼び荀彧に渡す様に命じた。
哮天に持たれて身体を伸ばした後、司馬懿が送って来た文に目を通した。
朝廷の報告は曹仁がしたが、曹昂への報告は司馬懿が送った様であった。
「・・・・・・へえ、徐福を降伏させて部下にしたのか」
文の最初の方に、諸葛亮の謀略により兵の半分を失い、徐福は降伏して部下になった。
その際に、名を徐庶と改めた事が書かれていた。
「ふ~ん。徐庶になったのか。名前の由来は知らないけど、結局名を改めたのか」
名前の由来までは知らないんだよなと思いつつ、曹昂は文を読み進めていく。
公孫続が劉備達を逃がす為に
「子和が劉備の娘達を捕虜にするのか、確かそんな事が誰かの史実の記録で書かれていたな。まぁ、それはどうでも良いとして、公孫続が戦死するか。確か、公孫続って、割と早めに戦死する筈だったから、割と長く生きたのかな? そして、最後の・・・・はははは、張飛の見せ場を潰すとか可哀そうな事をするな」
文を読んでいて、曹昂は口元を緩ませていた。
最後の所で、劉備が船を調達して逃げたので、其処で追撃が止めになったと書かれているのを見て、顎を撫でた。
「・・・・・・まぁ、逃げられる事も想定内だったから問題ないな」
曹昂は予てから考えていた計画を実行する事に決めた。
益州の劉璋は劉備を受け入れるか分からないので、其処は劉循を使う事にした。
「食客に迎える様に進言させよう。その後で劉璋を暗殺すれば、劉備は窮地に陥るな」
そうなれば、兵を集める事も難しいだろうと予想できた。
「兵も多く失っているだろうし、上手く行けば劉循が劉備を討ち取れるかも知れないな。まぁ、其処まで望むのは酷か」
父上なら同じ立場であれば確実に仕留めろとか言うのかなと思いつつ、曹昂は文を認めて人を呼んだ。
「この文を益州の劉循に渡す様に」
「はっ」
認めた文を渡した後、曹昂は一息ついていた。
仕事が終わったと分かったのか、哮天が顔をこすりつけて来た。
甘えてくる哮天の相手をしつつ、一息ついていると、ふと思ったのであった。
「そう言えば、劉備はどうやって船を調達したんだ?」
曹昂は気になったが、まぁ曹仁か諸葛亮あたりが調べるかと思い気にするのを止めた。
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