第6話 転生したらラスボスだったけど、娯楽がないので本が欲しい

…そして約半年後


 試験は余裕で(歴史は合格者平均点より低かった)受かることができ、晴れて学園の一生徒になった訳だが…………の前に、学園に通うには当然通学時間が発生するため、その間の暇つぶしに読むための本を父の部屋の本棚から漁っている。


 異世界転生学園物語よくあるなろう系なら寮生活?我まだ小学生肉体的にはぞ?子供部屋おじ...自分の部屋があるなら居たいじゃないか!


 さて、一冊興味深い本を見つけたので立ち読みする。題名は『ユースティテア地方経済発展論』。選んだ理由は.........苦手な歴史が克服できそうだからである。(というのは建前でなんとなくカッコ良さそうだったからである。)


『―まず、当地方は古来より経済の発展が著しく停滞している、その主な理由としては、前提として経済発展論の確立が不完全であり、王都などの目覚ましい発展を遂げてきた地区の経済発展論を機械的に適用したその場凌ぎの成長に過ぎず、長期的視点から鑑みると――』


 だめだ、今の脳みそでは到底理解できそうにない。


 前世の学生時代、数学の先生から「数学は一日でも学ぶのをやめると学力が0になる」と盲信的に話していたひとがいたが、確かに、ここ数年は前世よりも難しい考え事が少なかったためか。頭の回転が鈍っている。


 転生したら馬鹿になるって本当だったんだなー(棒)


 閑話休題話をもどす


 次に『星の舞台屋 道楽亭』という本を手に取る。中身を軽く読んだところ、空の先の世界宇宙が舞台の(おそらく)SFものの大衆文学だった。


 仕事部屋に居るちch...お父上に許可をもらいに行く。さすがに無断で取っていくほど馬鹿じゃありませんよ。





 ...数分後、一応許可は出たものの...マラカイさんの作品に対する熱い思いが、小一時間ほど続いた。同じ大衆文学読者としてのなにかを感じた気がするのは気のせいだろう。

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