第6話:海戦
艦橋は騒がしかった。各々の役割で手一杯だったのもあるだろうがまず一つは目の前の光景に驚いているのだろう。
「この数は予想外です!」
空を埋める無数の鳥、海にはサメを模した機械。それに驚く事に、アレはカモフラージュを解いてる。大きさがどれぐらいかは分からないが多分ホノルルと同じ大きさだと思う。
「作戦変更だ」
撤退という二文字が脳裏を過った、その言葉が口を出かけたがその瞬間に恐ろしい物を見た。
「…!全艦、接近する機械生命体と交戦せよ!」
瞬時に言い換えた。
絶望的なのは分かってる、多分全滅すると思う。けどダメだ、撤退したら… アレは動いてる…!あの飛行船と水面の間に微かに水飛沫が見えた。もしここで素通りでもさせてみろ、ハワイ列島に居る住民が、アマンダが、死ぬ。
『艦隊長!ありゃこっちに近づいてきてるぞ!』
アダムが通信越しに怒鳴る。
「知ってる!だから攻撃だ!」
第五艦隊は隊列を組んだ。空母を後ろに構えた構成だ。空母から連続して攻撃機が発艦していく。どうやら敵は鳥しか戦場に出さないようだ、勢いよく艦隊めがけて飛んでくる。
「対空砲よーい!」
俺ら飛行隊が乗るの攻撃機はFJ-30 コアトルだ。装備は機銃とM2L魚雷とSaK-10 ミサイルと重めの武装。かれもこれも敵を倒すためだ。
『おい!後ろにつかれてるぞコルト!』
無線越しからマークマン小隊長の声が鳴り響く。
「うおぉい!マジかよ…!」
この鳥公、バカ早い!それに旋回つーかなんつーか、すごく短い!こんなん背後取られ放題じゃねぇか!
『コルト!』
でもよぉ、舐めんじゃねぇぞ!コルト上等兵は他の雑兵とは訳が違う!!
エンジンを殺し、頭を上げる。その一瞬だけ敵は俺を見失い、俺の目の前に現れる。
「ビンゴ」
エンジンを点火し機銃とミサイルを待ったいぶらなく全部注ぎ込む。もちろん背後からの攻撃に気づけるはずもなく敵はモロに喰らって…
「一機討伐!」
周りを見ると攻撃隊のほとんどが火を吹いて空母に帰還して行ってる。討伐できたのは俺だけらしい。
「ヒイラギ!損害は!?」
『二機小破、四機中破、七機大破だ』
決して少なくない損害だ。
『統率がほとんど取れてない。クッソタレ!これだから平和ボケ野郎どもは!』
マークスマンは5年前から前線でテロと戦ってた歴戦の猛者、テロ鎮圧から2年も経てば平和ボケした飛行兵は来る。そんな奴らの集まりがエイリアンに勝てる訳がねぇ。
「んな事より、こいつらフェイントに弱いっすよ。一機囮にして背後から攻撃すれば大抵落とせます」
『分かった。俺らは追われてる見方機を見つけて攻撃する』
「ラジャ」
『ラジャ』
マークマン小隊は各々散っていき指示通りに追われてる見方機を見つけ敵を倒してった。歴戦の猛者から特別レッスン受けさせられてた俺らを舐めんじゃねぇ!次へ次へと飛んでいき敵をバッタバッタ撃ち落とす。数がだいぶ減ってきたところで鳥は撤退した。
『コルト、着艦だ』
「ラジャ」
空母の後ろから速度を落としつつ接近しワイヤーに引っ掛ける。機体から出て損害を見てみる。アイツらが使うミサイルはなんとか避けれたが機銃は所々喰らったらしい。
「コルト!討伐数は幾つだ?」
着艦直後のヒイラギが機体から飛び降りて聞いてきた。
「んなもん数える余裕ねぇよ」
「そっか〜。ちなみに僕六機!」
「騒がしいぞコルト上等兵、ヒイラギ上等兵」
「お!マークマン小隊長!」
「全く、ガキかお前らは」
「それヒイラギだけっすよ」
(空母ワケア 艦橋内にて)
「とりあえず第一陣は乗り切ったな」
身体から力が一気に抜けた。
「各艦、被害は?」
『特にねーぞ』
『あたしはヘリがやられたぐらいかしら』
『雛はなんもなーい!』
『どうやら船には攻撃してこないようだな!』
若い飛行機乗りを何人かやられた。今救助艇を出して生存者を探してるが十機大破、十七機中破、八機小破。再起不能人数は15人、生死不明が10人か。たった1時間でこれだけの損害は…
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