乙女ゲームのモブ転生ものかと思いきや、蓋を開けてみれば予測不能なミステリーだった——そんな驚きをもたらすのが本作です。
主人公のミモザは乙女ゲームの「引き立て役の妹」として脇役に甘んじるはずでした。しかし彼女はゲームの運命を覆し、かつての攻略対象レオンハルトと夫婦となります。本作の面白さはここから始まります。
本作は「ゲームのシナリオを知っているからこそ未来を変えられる」という一般的な転生もののセオリーを巧みに崩してきます。ミモザの知識は役に立たないどころか、むしろ事態を混乱させます。彼女が知っている物語と、実際に起こる出来事のズレが、新たな謎を生み出していくのです。
姉であるステラの脱獄、正体不明の組織「保護研究会」の暗躍、そしてミモザ自身の「存在」に関する疑惑。どれも乙女ゲームの枠を超えたスリリングな展開を生み出しています。レオンハルトとの穏やかなやりとりがある一方で、読者は常に「次に何が起こるのか」と興味をそそられます。
『モブ転生』というジャンルを利用しながら、実際にはミステリーとしての完成度を高めた本作。謎解きと陰謀が絡み合うストーリーが、読者を最後まで惹きつけて離しません。