24


『あーやっぱ家は一番だぁ』


次の日、我はのんびりと布団でゴロゴロしていた。しあわせぇ。


「お嬢様、そろそろ起きませんか?」


『ぷぷ〜!ヤコ、また同じこと言ってるよ』


「お嬢様が起きないからですよ。あんまり起きないなら添い寝しますよ」


『だぁ、起きるよ起きる!もう、暑いのにベタつくな!!』 


「確かに暑いですね」


そう言いながら、ヤコは側から離れない。暑いなら離れてくれ。我も暑いんだ。


《アチい……》


《春っスよね?この暑さは狂ってるっスよ》


《お天道様がボケちまったんだろ。ま、そんなこと言ってもしょうがねえな》


《お?先輩もしかして何か打開策が?流石っス先輩!》


《バーカ!ある訳無いだろ。そんな物あれば、一人で独占してるかすぐにお前に伝えるわ》


《先輩って、頼りにならないっスよね》


《……》


「くだらない会話してる暇があったら、エアコンを付けましょう」


テーブルに置いてあったエアコンのリモコンを手に取り、ボタンを何度も押したが付かなかった。


「あれ?おかしいですね」


『ヤコ』


「はい?」


『壊れてる』


それを聞いてヤコも動かなくなってしまった。しょうがない、取り敢えず暑いし、窓開けよう。


『……良い天気過ぎて風が全然無いじゃん』


雲一つない青空なんだけど、風も無い。アツゥイ。


『扇風機ぐらいなら作れるかな、血でも。羽が回る構造……いやどうやって回るのか分からないし、血で回すか』


風が吹かない事が分かったので窓を閉めようと近づいたら何故か視界が暗くなった。


『ん?』


「っ……あ!ちょうど良いわ、悪いんだけど助けてくれないかしら」


『あ、え。あ?』


窓の外には今にも落ちそうな少女がいた。何でだ?


「ふぅ……悪いわね。紅茶まで貰って、まぁ味はそこそこって所かしら」


なんとかヤコを起こして、一緒に助けた後お茶を飲みながら話す。


『悪いな、我はいつもジュースしか飲まないからあんまりお茶は無くてな』


「まぁ、見た通りお子ちゃまって事ね。私とは違うのは分かったわ」


お子ちゃま……。いや、気にすんな。


『……そう言えば、誰?新しい対吸の人?』


「対吸?あぁ、"Vampire killer"ね。こっちではそう言うのね……。そうよ、別の場所から此処に呼ばれたの。でも、折角の海外だけど長居するつもりは無いわ」


『?』


へえー。海外の人なんだ。通りでハーフっぽい髪色で可愛いなぁと思ったけど。そうか、良いなぁ。発音凄いわ。


「既に情報は掴んでるのよ。日本にいる"vampire king"を殺せば、話は全て終わりよ。そいつがいるせいで、いつまでもアイツらはいなくならないんだから」


『……そうだな』


最近聞かないけど、まだいるのか。……本格的に何とかしないといけないのかもしれない。近い内に動こうかな。その内。


「あ、そうだ。アンタも対吸なら手伝いなさいよ」


『我が?』


「そうよ、こんな所でサボってたんだから良いでしょ?」


『……あ、ああ』


「良い加減にして頂けませんか?」


ヤコが間に入って止めてくれた。正直、助かった。


「はぁ?何がよ?と言うか、アンタ何?メイドみたいな格好して。アンタはコイツの何なのよ」


「メイドですよ、ずっとこれから先も永遠にね」


なんで、我を抱きしめるのか分からないけど良いや。


(遊園地の時に私だけ抱けなかったので、不公平だから今抱いてるだけです)


あっそうですか。まぁ、幸せそうな顔してるから良いや。


「チッ……また来るから」


そう言って、彼女は部屋から出て行った。……って名前知らないな。彼女の名前。また今度聞けば良いか。

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