歪みの中に宿る、ハイティーンの劣等感がぶつかり合う混沌の果て

高校生。

彼らは未成熟である、というエクスキューズを盾に、大人たちは彼らに、投げやりな裁量を与え、輪郭の滲んだ束縛を強いる。

そんな大人たちの不条理によって形成された庇護の下、学校という箱庭の中で必然的に、歪んだコンプレックスが彼らの内側に渦巻き始める。

全ての行動原理がそのコンプレックスを起点に、生々しい情熱をぶちまけ、互いに引き寄せ合い、絡み合い、もつれ合う。

そしてその情景がもたらした、彼らのあまりに清々しくも軽薄な命への距離感が、物語を予想もつかない終着点へと突き落としていく。

劇的な展開を、この年代のリアルな主観で綴る秀作。

必読。
いや、もうマジで。
やべーよ、これ。

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