第6話 プロローグ
はい、総理。
「これからは、二人三脚でいこうではないか。それが歴代秘書と歴代総理の宿命だ。と、私は思うのだが君はどう思う」
ありがたきお言葉です、総理。感無量でございます。
それでは総理。
それでも貴方様は総理大臣を目指されるおつもりでよろしいでしょうか。
「もはや知ってしまったのだ。いた仕方がない。目指してやろうではないか。私が次期総理大臣だ」
総理、申し訳ございません。総理、私が話してしまったがために。
貴方様は、やはりもう総理になるしか道はございません。私にはもう、お支えすることしかできません。それが私の任務でございます。
私にはもう秘書になるしか道がございません。
総理と同じように、私は秘書、貴方様には次期総理大臣を。私は貴方様を次期総理大臣に任命したく思います。
次期総理は貴方様にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
「上等だ。やってやろうではないか。私が次期総理だ」
ありがとうございます、総理。
私にも宿命がやってきました。総理の秘書を務めるという宿命です。まさか裏に、こんな闇があるとは思い及びもしませんでした。私が秘書になるまでは。
「同じくだ」
まさかこの私に、こんな大仕事がやってくるとは。これが宿命だとは。今更ながら自信のない秘書ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
「私も同じく宿命だ。
自信などこれからついてくるだろう。私のほうこそ、よろしくお願いする。次期総理という名の宿命が私にも回ってきた。
ただそれだけだ。」
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