涙の雨上がりに見つけた、小さな勇気の物語

洋館で暮らす10歳の早彩と、捨て猫クロの絆。母親の美学と少女の純粋な愛情が交錯する中、ある夜の出来事が家族の運命を大きく揺るがします。
静かな雨音と共に描かれる喪失と再生の物語は、わずかな文字数の中に深い感情が凝縮されています。特に注目は、謎めいた存在「あしながおじさん」。作者の別作品『視窓のフリンジ』と繋がっていて、その正体も気になってしまいます。
クロとの約束、母との葛藤、そして新しい朝―。早彩が最後に見つめる「外の世界」には、どんな未来が待っているのでしょうか。
心の痛みを知った少女が踏み出す一歩に、あなたもきっと胸を打たれるはず。

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