第31話
「世界にまだ開発されていない、自然はどのくらいあると思う?」
「わからない。考えた事も無い。」
「世界にはジャングルと言われている地帯が数か所ある。
南米のアマゾン、アフリカのコンゴ下流地帯、マダガスカル島、マレーシア
インドネシア、シンガポール、フィリピン、ニューギニア島、インド洋の島々
このくらいしか、世界中で二酸化炭素を吸う機能をはたしていない。
木を植えるという試みは、あるにはあった。
アフリカを横断するように植林された。グレートグリーンワォールこれは
主に、砂漠の砂による浸食を防ぐ事に重きを置いた活動でアフリカを
緑に変えると言った事でもなかった。
プロジェクトは現在進行形で1億ヘクタールの土地を回復する目標だが。
砂漠化を回避できている土地は3000万ヘクタールという報告だが、
当初目標達成は2030年と、言う事からも、目標達成には厳しい状態だ。
砂漠の浸食と砂漠化は、ある程度防げるようになってきたが、
植林した木が、枯れてしまいそこから、緑を広げる事が出来ていない
という課題を解消できていない。
地域の暑さに耐えれる、樹木がない事と元々、その地域には水がない。
と言いう課題は解消されていない。
そこで、暑さに強い、樹木を開発するのと、その逆に寒さに強く成長の
早い樹木はできないのかを研究している。」
「アフリカの植林の話は、聞いたことがあるけど、寒さに強いとはどういう
事なんだ。」
「寒い地域の樹々は成長速度が遅い」
「そこを早く成長できるようにならないかを研究しているところだ」
「成長を速くすると、どうなるんだ」
「寒くて、人が住めていない地域に雇用が生まれる、その地域に人々が
住み着けば、過密状態の都市部以外に、居住地域や町ができれば、
寒い地域の国が、この寒冷地でも育つ樹々をこぞって買いに来ると
思わないか。」
「そんなことが、できるのか本当に。」
「さぁーな。」
「今のところは、できる兆しはない。」
「よくそんな事を、研究して暮らせているな」
「誰も、考えていない事を研究するか、現在成功していない事を
研究して、どこよりも早く成果を出すかだが、俺は前者を
選んだってだけだ。」
「生きず待ってはいるが、今後品種改良をして、寒冷地の樹々に
寿命の長い樹々を掛け合わせるとか、そういう所から始める事になると
思うけど、設備を整える必要があるから、研究の再開はもう少し先に
なると思うな。」
山本は、牧野がいう事が本当なのかこの施設にいた、2ヵ月ほどなんとなく
観察していたが、牧野は淡々と、富裕層へ売る野菜を育てながら、
品種改良を行う設備を自分で組み立てていた。
業者を雇う訳でもなく、自分で手配した材料をもくもくと組み上げていた。
山本がこの施設を去る時にもまだ、品種改良の設備は出来上がって
いなかった。
組織の受け入れの準備が整い、日本海側の港から山本はインドへ
向けて就航した。
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