第18話

日の出駅に向かった。

千原の所属する〇✕会は港区にあり、日の出駅から徒歩で1キロ弱

張り込みの可能性が、あったため今回は、事務所の近くにある、

レンタルルームを拠点に、することにした。

レンタルルームに向かう途中に、コンビニで2・3日分の食料と水と

瞬間接着剤とビニールテープを購入して、コンビニの駐車場の隅に

捨ててあった角材を30㎝程にした者を持ち込んだ。

今から行く、レンタルルームは、ビルの5階のワンフロアーを

使っていた。

そのレンタルルームは、ビルのワンフロアーを荷物を入れて置く、

小部屋に区切ってあるだけの所で、この時間帯にはまず、人は来ない。

セキュリティ強化の為に認証式の自動扉が設置してあった。

5階でエレベーターを降りた山本は、メガネの左上を押さえながら、

自動扉の開錠用リーダーにメガネをかざすと、「カチ」っと音を立てて

扉が開いた。

フロアーは、真ん中に通路があり左右にずらりと扉が並んでいた。

通路を一番奥まで進み、右の一番奥の扉の電子錠の暗証番号を解き、

入室した。

レンタルルーム内は、3室分をぶち抜いてあり、あまり出入りの無いこの

フロアーで、寝起きしたり、組事務所を監視しながら部屋で身を潜めるには

十分な広さだった。

今回は、ビルの中にあるレンタルルームを使っていいるが、ホテル住まいと

併用して、今回のように尾行観察などをする時に都合が良いレンタル

ルームを賢二はよく使っていた。

山本は、各地に無数にある、滞在型のレンタルルームを拠点に活動を

する事もあった。

レンタルルームは港などでよく見るコンテナを改装してあったりするが、

今回のレンタルルームは室内に、狭小ながらシャワールームにキッチンも

付いており、食料さえ持ち込めばそれなりに滞在できる作りになっていた。

持ち込んだ物を食べてから、一緒に持ち込んだ、角材にビニールテープを

5cm巻き付けて、即席の護身用の棒を作って寝た。

昼前に、そのレンタルルームを出た山本は、○×会のあるビル近くの

公園を目指した。

公園に行く途中に千原の所属事務所を確認した。

次に、事務所入口が見える道向かいに吸盤状の監視カメラを設置し、

メガネで監視しながら、公園へと向かった。

公園に向かう途中、眼鏡に黒い点と横棒に羅列が表示された。

これはモールス信号を見える化したものが、眼鏡に表示されたのだった。

時よりこの指示は表示されるが、今回は松本の日程に基づいた、

松本本人がいる場所が表示さていたが、山本は機能でこの表示を

消す事も出来るが消すことはしないで、いた。

予定では松本を排除して、新幹線で西に向かっているはずだったが、

時間がかかり過ぎていた。

山本も、眼鏡の隅を指でチョンチョンんと操作して今の状況、新たな

排除対象の登場、今その人物の確認作業中だという事をモールス信号

で眼鏡を通して、送信した。

公園に着くと、大学生風の眼鏡の男が現れた。

会話をする事も無く、その男は、松本を担当すると言って、松本の自宅

マンションに歩いて向っていた。

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