エピローグ

 あれから5年が経った。

 俺は今、ダンジョンの入口と外の境に立っている。

 時間は冒険者がいない夜中で、アル、ディーネ、ルタ、サラ、シロ、クロが見送りにきてくれている。

「主様。どうかお気をつけて!」

「真人様。何かあったらすぐ行くからね!」

「ご主人様。楽しんできてね!」

「主。ご武運を!」

「創造主様。我のお土産は肉でよいぞ」

「あっ。クロばっかりずるい。創造主様。私は甘いのがいいです」

「ああ。心配しなくてもいざとなったら転移戻ってこれるからな。それに何かあったら通信の魔道具でしらせてくれ」

「マスターには私がついてるから大丈夫。悪い虫は近付けさせない」

「クリス。頼みましたわよ!」

「虫?何のことだ?」

「マスターは気にしなくていい」

 すると、外の方から2つの気配が近づいてきた。

「クリス姉様!私たちもいますよ!」

「ヴィア!ジョイナ!お前たち元気だったか!」

「はい。真人様。お久しぶりです。約束通り、お迎えにあがりました」

「真人様!会いたかったです!」

 ジョイナは挨拶もせずに抱き付いてきた。

「こらっ!ジョイナ!自分ばっかりずるい!」

 ヴィアも負けじと抱き付いてきた。

 甘えん坊は相変わらず変わってないようだ。

 ヴィアの方を微笑ましい目で見ていると、それに気づいたヴィアは

「ま、真人様。な、なんですか?その子供を見守るような表情は・・・?」

 いや、なんでもない。と気を取り直した俺は4人と2匹に別れを告げ、街の方へと歩き、さぁようやく旅の始まりだ!と意気込んでいたが「そういえば真人様。この時間、街の門は閉まってますよ?」というヴィアの一言で精霊湖の方で野営した真人たちであった。

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