コメディ系はあまり今まで読んで来ませんでしたが、新しいジャンルの魅力を知る事が出来ました。

軽快に話が進むのは勿論ですが、個人的にストーリーとコメディ風景を単純に放り投げる訳では無く、しっかりと芯を感じられる文章力や小気味良い言葉回しがとても気に入りました。
個人的な感覚になるのですが、古き良きラノベ特有の引き込まれる面白さ、初めて小説を漫画感覚で読んだ時の楽しさを感じさせてくれます。

コメディや恋愛、色々な要素が煮込まれていますが、それぞれの味を邪魔する事無くちょうどいい塩梅の出汁が出ている感覚です。

ラブコメ作品には欠かせないコミカルな要素ですが、本作品ではそれがことさら強調されており、ギャグ要素満載のお話になっています。
ボケ・ツッコミの見せ方でも、特に「ツッコミ」の表現が豊かであり、その言い回しに思わず「ぶふっ」となってしまう場面が何度かありました。
しかし、それでいて主人公らの見せる問題解決能力は高く、特に「親友のために」という熱い志を胸に作戦に取り組む主人公には、応援したくなるものを感じます。
レビュー寄稿時点ではまだお話は始まったばかりですが、続きを待ち遠しくさせるような「読ませる作品」です。