第06話 うちに来ないか?
地球に戻って来た俺は、見事に転倒した。
実際には、流体のカプセルから出ただけ。それだけなのに、途端に重力に襲われては、バランスを崩してその場に倒れ込んでしまった。
「大丈夫ー?」
てってってーと駆けて来る
その何事もなかったかのような動きっぷりに、どうしてそんなに身体が動かせるんだよ、と言葉を失いながら肩を借りて立ち上がる。
実際に触れれば、俺よりも小さい肩幅に、細い腕。単純な身体的な能力では俺の方が勝っていそうなのに……と、半ば不満そうにしているのが伝わってしまったのだろうか。「誰でも最初はそうだって」「慣れだよ慣れ」と言われた。
「それよりも、
「そうか?」
「もしかして、宇宙経験者? って思いたくなるくらい動けてたんだけど。なんかやってた?」
「いや……そんなことは」
運動ならバスケ。あとは、夢で何度か宇宙に行くことがあったから、イメージトレーニングができていたかもしれない……なんてのは少し馬鹿げていて流石に口にはしなかった。
「俺の実感としては、なんとか
「そんなことないって! 初めてとは思えないくらい様になってたよ。――ねっ、
椅子へと案内される俺。そこへ、
馬鹿にしてくるのかと思ったが、そうでもない。確かに、人を食ったような表情を浮かべてはいたが、しかしどこか真剣な眼差しを俺に向けている。
「ああ。正直驚いたよ。……本当に経験者じゃないのか?」
「? なんか、やけに高評価だな?」
「高評価もなにも、満点だ。運動神経がいいとは思っていたが、初めてでこんなに動けるとは……。それこそ、君になら安心して仕事を任せたくなったほどだぞ」
「……?」
帰ってきて、転んで。それで
だが
それよりも、宇宙で思い通りに手足を動かせたことに、感心しているようだった。どうやら、大抵は〈リモートウォーカー〉を思い通りに動かすことすらなかなか上手くできないらしく、少し宇宙遊泳をさせたのちは宇宙船に固定し直して宇宙観光を楽しんでもらう……というのが当初のプランだったらしい。
それなのに、俺は
そして何よりも、
「なあ、
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