第54話 ニーベルンゲンⅠ

 魔剣士とは魔法と剣技を組み合わせて戦い、遠距離でも近距離でも戦える万能型ともいえる戦い方をする剣士、もしくは魔法使いのことを言う


 これが王国最強の騎士ニーベルンゲン…強い、純粋な力だけでも負けている

 ヴァーンズィンは今押されている。なぜかって?ニーベルンゲンがバケモノだからだ。魔法は普通なら同じ威力の魔法で相殺するか防御魔法で防ぐ、それか遮蔽物を挟んで防ぐしかない、だがニーベルンゲンは違う。魔法を鉄の剣で叩ききっている


 アランは動きが速すぎて全く見えないニーベルンゲンも戦っている相手も自分とは次元が違うとしか分からない


「マーリン…ニーベルンゲンがもし負けたら」


「僕とアラン君で戦う」


 ですよねぇ~どうすればいいんだよ!無理に決まってんだろ、勝てる勝てないというより、まず同じ土俵に立てるわけないのに

 アランは頭を抱え込み黙ってしまう


「そういえば、まだキミの名前を聞いていなかった」


「確かに俺もお前の名前聞いてない」


「近衛騎士団団長ニーベルンゲン」


 魔法も魔身も使わず魔剣士を相手に素の身体能力で互角に戦っていた。真っ白な髪の騎士

 声を聞いた限りでは女性なのは確かだが、その圧倒的な存在感からは竜でも畏縮してしまうほどだ


「カオス教団司祭ヴァーンズィン」


 スキンヘッドの頭をしている。以上


 互いに名のった後再び殺し合いを始める。俺はどうしたらいいのか…あたふたすることしかできない


 ◆

  ―ニーベルンゲン視点―


 この司祭、強いまるでかのように私の剣技を動きを見切っている。おしい、カオス教団の者ではなかったら騎士団に入団させて共に技を磨きあたかった


 ニーベルンゲンは音を置き去りにする速度でヴァーンズィンの背後を取り騎士剣を頭部めがけて振り下ろすが

 

「(またかわされた)」


 まるで後ろにも目があるかのようにかわされた。これで二度目の背後からの攻撃もダメ、ならば魔力を剣に乗せて斬撃で遠距離から斬る


「なに⁉」


 ヴァーンズィンはリンボーダンスのように上体を後ろへ大きくそらして斬撃を回避した。ニーベルンゲンは斬撃をかわされたことに驚いたのではなく、斬撃を打つ直前に体をそらした。まるで、

 

 また魔法か、この程度


 魔法を叩き切ろうと右足を一歩踏み出した瞬間、石畳が爆破した

 ニーベルンゲンは吹き飛び、壁に頭を強く打ち気を失ってしまい右足からは出血している。さらに足首から下は吹っ飛んでしまった


 ◆

  

「マーリン助けに!」


「アラン君少し待って作戦がある」

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