屋敷に忍び込んだ鼠――誰かと思えば、君だったか。

まったく、僕に駆除を任せてくださるなんて、お嬢様は本当にお優しい方だ。

久しぶりだね、元気にしていたかい。

……おっと。元気は有り余っていると見える。

芋虫みたいな姿でのたうち回って、無様でよく似合ってるよ。

それにしても、僕が殺し損ねた残党がわざわざそっちから来てくれるなんて、僕も運がいい。日頃の行いがいいからかな。

……裏切者？　心外だなあ。

僕は最初から、君たちを仲間だと思ったことなんてないよ。

……うん。全部嘘だ。君が美化している”思い出”とやらも、僕にとっては単なる仕事上の雑務でしかなかった。

ははっ、なんだよ、その顔。

まるで僕が悪いみたいじゃないか。

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