11. 本当の心

 いつも思う。

 どんな想いをもってして、言葉を紡いでいいのか。そこにどこまでの濃度の本心があるのか。それは単なるただの偽善になっていやしないだろうか、と。

 自分で、自分の心がよくわかっていないことも多い。その時「本心」でも、時が経つことで、考えが変わることもある。

 そうして、迷いながら紡いでいくのだ。今日も。


 ひとは、矛盾と隣り合わせで生きている。

生と死。動と静。光と影。共感と否定。

 私はその、どちらの言い分もそれなりに理解できるつもりで。それを、優柔不断ととるか、柔軟な考えとよぶか。それも人それぞれ。


 ひとの「本心」とは、本当はどこにあるものだろう? それは、潜在意識? 深い考えの結果? それとも直感?


 真の答なんて、ありゃしない。あったらそれは、「誰の」答えだ?


 世には、たくさんの「個」があり、その分だけ答えも違う。

 そういうものだと、私は思う。

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