第6話
かくいう私も商品が売れたことがないわけじゃない。
ただ私が思う使い方ではなかったのだが…
まぁ売れたのだから大した問題ではない。
…多分
「評論家がなんなのさ、本当かは自分で確かめてみるべきだろ?」
「なんの話だか…」
とりあえず私は怒っているのだ。
なんで私の店が詐欺扱いされて誰も買いに来ないのだろう。
私が思うに主な原因は評論家と価値が分からない冒険者と…横にいるこいつだと思う。
「ぐぎゃぁ」
そりゃ変な鳴き声で鳴いているこいつのそばには近寄りたくないわな。
とても同意する、私だって近寄りたくない。
「近寄りたくないってのは酷くない!?」
「そろそろ心の声読むのやめてほしいんだけど」
せっかく借金して借りた屋台が全く生かされてない。
まぁ人通りは少ないし、ダンジョンから近いわけでもないし
儲けは少ないとは思っていたけれども。
「すみません、これいただけませんか?」
「もちろんです!お買い上げありがとうございます!」
私の屋台の初めてのお客さんだ。
なんて優しい人なんだろう…
ちょっと見てくれは悪いけどそんなものは些細な問題だ!
「マスター…この人に売るのはやめておいたほうが…」
「うるさい!お客様を減らすような行為をするな!」
魔剣がうるさい。
とりあえず殴っておいた。
…手が痺れた
「マスター、今は魔剣状態なので痛くありませんよ」
「それに今はマスターの脳内に語りかけているだけで…」
「それは私には売れないということでしょうか?」
あ、やばいかもしれない。
こうなったのは魔剣の所為だしとりあえず魔剣売り渡すか?
「やむを得ません、魔布は力ずくで奪い返すとしましょう」
…魔布とは?
売ってるのサンドバックなんですけど。
「うちが贔屓にしてる商会の魔布が盗まれたと聞きましてね」
どこの商会だよ。
服屋さんの古着セールで叩き売りされてたの買ってきたはずなんだけど。
いやでもなんか強そうだし逃げるか?
「力ずくで商品を奪うなんて許せんね!」
なんか動けないんですけど…。
全力で土下座して商品捧げたいんですけど。
なんとなく熱っぽい気がするしもしや状態異常がかかっている?
教会での治療費っていくらだっけ。
「悪漢なんかに負けません!私を使ってください!」
拝啓、神様どうか空気が読めない
魔剣、負けるもんか! 真白 紗雪 @masiro_sayuki
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