道ばたに落ちていたもの
鷹橋 ねきょ
本編
葬儀屋という仕事には、休みが少ない。
今日も土曜日ではあるが、出社している。そのために道を早歩き。
歩道を優先的に歩く。安全だ。
横を見る。車道の真ん中に何かが見えた。棒状のものだった。
「なんだ? 白いもの?」
本音で語るが、同僚連中は火葬場でご遺骨を見るのもいやらしい。私は大丈夫。
あれはなにかの骨か?
興味を持って近づいていく。
無論、この時間なら交通量が少ない。通い慣れた道だ。車はあまり来ないだろう。
近づく。凝視する。
「……」
わからない——。
その白い何かを触るか、戸惑った。
興味が勝って拾い上げる。さわり心地はある程度は堅い。
またよく観察する。繊維質的には骨かもしれない。わからない。
それにしては軽かった。
「なんだ? これ?」
よく見る。じっとそこで立ち止まりながら。
「わからん。持ち帰っていいものかもわからん」
私は悩む。考え込んでいた。
悪い癖だ。
後ろから猛スピードで走ってきたトラックには気づかなかった。
道ばたに落ちていたもの 鷹橋 ねきょ @whiterlycoris
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます