隠された香り

K.night

第1話 始まりは雨

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星歴 3057年6月21日 対象者捕獲。

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3日降り続いている雨に、綾羅木春人はさすがにうんざりしながら家路についていた。


「よくもまあ、そろそろ飽きないものかね。」


ぐじゅぐじゅと音を立てるスニーカーが気持ち悪い。


綾羅木春人は普通の、いわゆる平均的な男の子であった。


17歳。身長174cm。体重68.5Kg。一切拘束に触れない、ワックスもつけない短髪。成績も平均の少し上、体育は平均の少し下。インドア派で、好きなことはゲーム。


かといって、陰気はわけでもなく、学校にもそれなりに友人と仲良くしている。


SNSは見る専門。17歳で酒や煙草にちょっと手を出してみる、なんて冒険は一切しないし、誘われてもはっきり断るタイプ。


どんな人かと聞かれたら10人が10人「優しい人。」そう答えるような青年であった。


そんな青年がいつも通りの道をいつも通り帰っていたら、後ろから急に襲われた。


黒いバンが近くに止まったかと思うと、3人の男が出てきた。二人が体を抑え、一人が注射を打った。春人は気を失った。


そこから、またバンに乗せられるまで、わずか2分足らずであった。



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