ねこてん〜,,,(=・ω・=),,,溺愛してくれめんす☆〜

と備忘録

第1話 わたくしはねこちゃんですわ(=・x・=)なまえはまだありませんの



----------

| ねーむ: (0)|

| せっくす:めす |

| くらす:捨て猫 |

| HP:0/10 |

| MP:5/10 |

----------






 今周は、古式ゆかしく始めようと思う。




 吾輩は猫ちゃんである。名前はまだ無い。

 なんで生れ変わったのかとんと見当がつかぬが、なんでも暗いじめじめした異世界で転がっている事だけは確かである。


 猫ちゃんはここで始めてステータスボードというものを見た。暗がりに浮かぶアレがそうであろう。異世界転生の証左だ。


 ツッコミどころ満載である。満載である。

 大事おおごとだから2度述べておく。



 うん、文豪は偉大だ。抜群の安定感。心身に優しい。

 ご令嬢、ばぶちゃん、名探偵某とか個性豊かな面々で周回したけど、テンション上がる分、下がるんだよねー。我にかえるとしんどいのヨ。


 なんで周回してるのかって?動けないから考察するしかないんだヨー。

 動けないし、考察材料少ないし、で堂々巡りダヨー。

 ステータスチェックしかできること、ナインダヨー。


 ではでは、熟考を重ねた、ステータスチェックの、結果ハッピョー!



 「ねーむ」

 名前ってことだよね。なぜか英語の平仮名表記。

 最初名前が「(0)」かと思ってチベスナになったね。

 空白、つまりは空欄、に思い至たった瞬間脳汁でたよ!

 そしてここは空欄になっているから、名前はまだ無い。名無しの権兵衛ちゃんである。

 ゲームで使ってた名前とか、前世の名前も名乗ってみたけど埋まらず。

 誰かに付けてもらわないといけないらしいよ。たぶん。



 「(0)」

 名前じゃないなら何なのさ、なんだけど、名前の後につく数字といえば、年齢ですな。天才!

 ゼロ歳!

 なんと、赤ちゃんですよ!

 世界が黒いのは、目が開いてないからですよ!

 超赤ちゃん。生後何日レベル。ヤバくない?



 「せっくす」

 性別。

 めす。メス猫。腐ったものにも毒されていた大人からするとびみょうな響き。

 でも猫ちゃんだからめすで通常。汚れたフィルターはポイしなければ。だって、純な赤ちゃんだもの!


 余談ですが、薄っぺらいオタクであったと自己申告しておきます。いろいろ大目に見てくれめんす。



 「くらす」

 ……職業?

 ……捨て猫。

 ……捨て?

 ……はぁぁ。

 ため息出るよね。暗いため息しが出ないよね。

 お疲れ気味で癒しのもふもふ動画を見て、猫ちゃんになりたい!と思ったことは数あれど、飼い主に溺愛される飼い猫ちゃんになりたいのであって、捨て猫というハードモードでサバイバル体験したいとはナノ程も思ったことは無い!断言!

 それにしてもここだけ漢字とか、圧が強い!現実を突きつけられてるよぅ……。つら味。



 HP:0/10

 ヒットポイント、だったっけ?要は命!

 「0」って何だよー!ヤバいよヤバいよ!

 でも、0だけど生きてるし、ここは体力ってことだよね?

 体力0だから動けないんだろうナー。体が重いのヨー。タスケテ。



 MP:5/10

 マジックポイント。

 魔力?

 異世界キター!って思えるヤツ!魔法使えるの?ヤッター!ってヤツ!

 魔法使った覚えないけど減ってるね!ナンデ?

 ステータス表示には使ってなさそう。タブン?

 あるあるでいくと、HPが無くなってもMP削って延命するヤツかな?

 ……あと半分しかないんですけど。半分。たったの5。命のカウントダウン始まってるよ!

 どうする?どうしよう!


 しんどいけど、鳴いてみる?助けを呼ぶ、しかないよねー!

 詰んでるもんねー!

 倒れるときは前のめり!って誰かが言ってた!


 腹の底から、マジもんで、絞り出す!

 いでよ!火事場の、バカヂカラ!



 「……ミッ(誰か!助けてー!)」



 ちっさ!声ちっさ!


 ヒッ、MPが4になった。



 ホイッスルください。非常用に常備してたのに、何で持ってないのー?

 それはね、だって、猫ちゃんだからー!


 転生チートどこぉ。スキルは?ステータスに表示がないよ?何でないのー?

 それはね、ただの猫ちゃんだからダヨー!


 あああああぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る