宙へ・・・
ルフィは基地へ入らず、リーゼ群からはかなり遅れて降下したソクブランへと帰艦していた。
「おかえり。ナミエとユウは?」
機体から降りたルフィの前にカイリーが立ちふさがった。
「白人が黄猿の心配か?ナミエは知らん、ユウは死んだ」
どけよ、と払うようにカイリーを押し除け格納庫外へと去ってゆく。
「ちっ・・・アフロん時とは全然違うじゃないw!」
嘲りを滲ませたコトバに微塵の反応も返さず、男はカイリーの視界から完全に歩き去った。
「ま、男にとっちゃ挿れた女なんてその程度、か」
処女の身(IPアピール)で呟くにはいささか滑稽なセリフも、白人スペックにより・・・うーん、どうなんだろう。
。。。その頃ブリッジでは。
「ブラウ・ワン、回収しました」
「よし、では秘密基地に向かうか」
「はは、いいですね、秘密基地。若いこ・・・子供の頃を思い出します」
「やんちゃだったのだな、伍長。うらやましいよ」
「艦長は・・・あ、エリートですものね」
「うむ。ひどく硬直した家に生まれたからね・・・自慰すら出来ないまま初体験を向かえることになったよ」
ん?これは前に話したか?艦長の持ちネタですからね、あたしは初めて聞きました、お妾さんの席は空いてないのですか?今キミのIDに部屋の開錠キーを許可したよ、いつでも訪ってくれたまえ、ステキ・・・あたしもそのシートに座れるんですね
賑やかになるブリッジの雰囲気にバリドロムは思う。
(大地・・・地上が初めての者が殆んどだろう。ここは弛緩を見咎めるべきではないだろうな。・・・セリアくんのことは気になるが)
キャノピシェルの外、雄大にひろがるジャングルのカーペット。
その向こう、地平に沈む夕日の美しさを眺めながらセリアの身を案じたバリドロムの視界に一瞬、異様なものが映った。
「ん?黒い球体が・・・気のせいか」
目を擦りながら視野の欠けを連想し基地に到着する前に医局へ向かおうと長い亜麻色の髪の女性看護師のおユキちゃんの笑顔を思い浮かべていると、オペレータからそれなりに緊急性の高そうな声音で報告が上がる。
「前方200キロ先より衝撃波、三・・・五波、減衰後の物も含め来ます!カウント4,3,2・・・」
「あれか・・・核でも使ったのか?」
「なんだあの雲・・・伝説の菌類、キノコなの?」
「大気圏では熱的な膨張と収縮であのような現象が起こると・・・」
「衝撃波、到着しました。被害は軽微・・・モニタでは確認できません」
『甲板に水着で出てたボランティア・・・カイリーですね、が落下中。拾いに出ます』
「水着か・・・弛緩が過ぎますね」
「ああ、これはリアルモデルの記録を十分に検証しなきゃ」
「・・・いま該当区域のカメラデータをロック。警備課へ送ります」
「ええ・・・艦長ぉ」
「はは、彼女もまだ子供だからね。・・・まあ、それを使う我々も」
ブリッジに静寂が訪れた。
無謀な戦闘と脅迫。
その兇行を見過ごすしかなかった、自分たち大人。
誰もが髪の短い、小さな少女へ思いを馳せていた。
「艦長、基地のレストランて自然食だったりしませんか?」
「ん?・・・あ、ああ。大地への転属志望動機の第一位でもあるな」
「ステーキって厚い肉を焼いたヤツ、食ってみたかったんだよ」
「あ、あたしも。すごい沢山の植物を複雑な味のオイルで頂くサラダっての食べたい。若返るんですって」
「俺は・・」
これも、時代か。
バリドロムは制帽のブリムを下ろしながら、ひとり遺影となったユウの笑顔に瞑目するのだった。
ブリッジ内のクルーに共有された空気(児ポでヌく艦長)には気づかぬまま。
・
・
・
主人を失ったユウの部屋で、バルフィンドは立ち尽くしていた。
あの時剥き、投げ捨てたままの学生服を見つめながら、あの日からそれほどの時間がたっている訳でないという現実に脳が冷えてゆく。
冷える頭とは逆に、肚・・・へその奥で、暗く熱い滾りが増してゆく。
「汚し、踏みにじり、見捨て・・・」
俺はそんなことが許される身分か?
犯した暴力を許される・・・報復を諦めるしかないほどの恐怖をもたらすことが出来る偉大な存在なのか。
女に簡単に伸されるような俺が。
「思い出したぜ、ユウ」
ユウ・・・You・・・お前。
暗く煮え滾る怒りを肚に、ベッドに背を向けた。
部屋を出る直前に振り返り、学生服に目を投げ呟く。
「おまえ、俺のことが好きだったんじゃないのかよ」
閉じるドアがルフィの視線を遮り、彼は去った。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
なんかあっちこっちのセリフとか心情の演出とか全部どっかからパクってしまっているのでは、というやらかし系既視感が酷い・・・特にサラダ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます