VSフットマン
第2話 襲来そして確信
「またか...」
ゆっくりと目を覚ます。辺りを見回すと人はいなく、日も暮れかけているようだ。
「って、あいつらなんで起こしてくれなかったんだよ!時間もやばいし。」
自分が悪いのは百も承知だが、怒りの矛先をセイ達に向けて、大講堂を後にする。
テン、現在17歳の高校二年生。依然として特待生ではあるが、オノティスに関する情報は未だに掴めないままである。
そして、テンは大講堂を出て向かう先は、セイ達が...
「おっと、ごめんごめん」
「ちょっと...ってショウじゃん、まだ仕事中?」
「まぁね、今日はもうすぐ終わるけど。」
テンが廊下の曲がり角でぶつかったのは、ショウだった。
ショウも27歳になり、現在マットでルーカスの歴史を教える教授として仕事をしている。
「そういえばなんだけど...」
ショウが重い口を開くように言う
「あの件ってどうする。俺もテンが大きくなるまで待ってたし。いやもちろん、嫌ならいいんだけどさ。これもオノティスの情報を知る一つの手がかりになると思うんだよ。」
テンは少し黙る。
そして
「ごめん、ショウ。俺もそうしたいのはそうなんだけど、このままゴスカ島に行って調査するってさ。前にも言ったけど、あそこに戻るのは全てが終わってからって決めてるんだ。それに、もう少しで情報が掴めそうな気がするんだよね」
ちなみに根拠などない。
ショウも少し黙り込み、そして口を開く。
「ごめんな辛い思いをさせて、わかった。ありがとう!」
テンの気持ちを汲みとったのか、感謝を述べ、スマホを取り出し、その場を去っていく。
そして、テンも本来向かっていた場所へ。
裏庭らしき場所に着くと二人の声が聞こえてくる。
ーセイとリンだ。
そこへテンが駆け足で向かい乱入する。
「ねぇーなんで起こしてくれなかったんだよ。」
「いや、ちゃんと起こしたよ。だよね、リン。」
「そうだよ。まぁテンはお眠さんだからね〜」
「それは普通にごめんじゃん」
少し笑みを浮かべながら言った。
「それはそうと、練習はどうなのお二人さん。」
テンが二人に質問する。
「まぁ、テンと一緒で俺も特待生だし、いつも通り強いよ。」
「私は範囲を広げられるようになったよ!」
と答える二人。
「めっちゃいいじゃん!セイの空接はチートだもんなー。それにリンだって危機察知めっちゃ便利だし。」
「でしょ〜。いつもは校舎ぐらいしか、範囲内にできなかったんだけど、概念次第でマット全体まで範囲を広げることができたんだよ!いつかはカグラ全体まで範囲内にできたらいいな。」
「それはそれで大変だろ。」
「確かに。あはは〜」
説明しよう。「カグラ」とは、マットがある都市だ。それと同時に、世界有数の大都市でもあるんだ。以上、大雑把説明のチーズ君でした。
リンのコンセプトをもう少し詳しく説明しよう、彼女のコンセプトは「危機察知」だ。自分自身や身の回り等に、危険なことなどが起こる、ほんの直前に...
「あっ...頭にびっくり(!)マークが出てきた。」
ー...!?
「まずいっ...!!」
その時、突如として空が発光しそこから、謎の人物が現れテン達に襲いかかった。
ズドォォォォォォン!!!!
と彼が拳を組み空から地面に叩きつける音は轟音そのものだった。
地面に叩きつけると同時に砂ぼこりが舞い上がり、数秒の間を空け、徐々に彼の姿が露わになっていく。
ーデブだ。めっちゃデブ。
「なにおまえ。」
テンが口を開き、デブに問いただす。
「俺は...」
どうやら会話は可能のようだ。
「俺は、オノティスのフットマンって言うぜ、趣味は話すことで、ここに来たのもさ。二年の特待生を全員殺してくれって言われたから来たんだぜ。あっ、また話しすぎちゃった、お前らのせいで俺が怒られるんだからな!」
ーオノティス!?
「なんで、俺たちなんだよ」
「知らないぜ〜。ま、とういうことで殺させていただきます!」
「それはこっちのセリフだ!」
《コンセプト:
テンはフットマンの方へ駆け出しながら右手を地面に向け、そこから瞬時に大剣を精製した。
テンのコンセプトは
自分自身の身長までの物を右手のひらから自由に一つだけ精製する能力。精製する物の構造を詳しく理解しているほど、精製にかかる時間は短く、物もより性能が良くなる。
勢いよく、大剣をフットマンに振りかざす。しかし、フットマンは体型に見合わないほどの俊敏さで避ける。
《コンセプト:空接》
フットマンが避けたタイミングを狙い、セイが空接で作り出した槍を投げ、フットマンの右腕に命中させる。
セイのコンセプト、「空接」は大気をさまざまな形、硬さに変えることができる能力だ。そして、このコンセプトの醍醐味は...
(あのガキ...何かを投げてきて、実際攻撃を受けたが、何を投げてきたのかわからないぜ、いや武器が見えないんだぜっ...!)
「ははっ!お前面白いもの持ってんな!つえーぜ!」
「...」
セイは無視してフットマンにもう一度、透明な槍を投げようとした瞬間。
フットマンが突如三人の前から姿を消した。
「...!うえ!うえだよ!」
リンの危機察知が反応した先は空中だった。
そして、もう一度空から拳をセイに振りかざす。
セイは突然のことに反応できなかった。
振りかざされる拳。
(まずい...)
「俺が守る!」
ガァァァァァン!!
だがその時、テンが盾を精製し、セイを守ったのだ。
「ナイス!」
「あたぼーよ!」
「テン!ナイスだよ!」
フットマンは笑っている。
楽しいのだ、久しぶりに面白い奴らと戦えることに。
「俺もコンセプト使ってやるぜ!」
ー...?
「瞬間移動はお前のコンセプトじゃないのか」
テンが再び問いただすのを無視し、フットマンがコンセプトを使用する。
《コンセプト:
テンが再び斬りかかろうとした瞬間、地面が揺れ、体勢を崩す。
ー...!?
テンが体勢を崩した瞬間、フットマンはすかさず、テンに殴りをいれる。
「ぐっ...!!」
痛い、とにかく痛い。こんな重い殴りをいれられたのは初めてだ。
「痛いに決まってんだぜぇ、だって俺のパンチだもん。」
話してるフットマンの背後をセイが透明な剣を作り、攻撃しようと斬りかかる。
しかし、フットマンは謎の箱を自分の体に押し当てた瞬間、消えて気づいた時には発光と共にセイの背後に立っていた。
「おもしろいけど、弱いぜ」
そして、セイも殴りをいれられてしまった。
攻撃を受けてしまったが、瞬間移動の謎は解けた気がする。
「その箱で瞬間移動してるんだよね。」
「わかったところでなんなんだぜ。」
フットマンが再び姿を消し、地面が揺れる。
「テン、やれるか」
「ああ、新技だけど試す価値はあるっ!」
フットマンが使っている謎の箱には弱点があった。本人も知ってはいるが、気に留める必要もないこと。
空中が光る
「来るよ!」
「あそこだ!」
「オッケー!」
はるか上空が発光しフットマンが現れる。
これで確実に一人を殺す気だろう。
そこまで眩しいわけではないので、セイも最初は気にしていなかったが、これが奴の弱点になると、確信した。
セイが槍をフットマンに投げる。
避ける術はほぼほぼないので、また右腕に直撃する。
フットマンが右腕を一瞬見たその瞬間に、テンはトランポリンを精製し、上空へ飛び、自身と同じ大きさほどの散弾銃を精製し、フットマンへ向ける。
《コンセプト:
『U ブレイク!!!』
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