狐七化け、狸八化け、貂九化け

 みなさん、貂(テン)ってご存じですか?
 貂はイタチ科の一種で、ネットで検索して画像を見てみると、見た目はすごく愛らしい。

 一説によると、テンは変化の力でキツネやタヌキにも勝る、とも言われているようです。

 本作の主人公は一匹の貂(テン)。
 キツネやタヌキなんかより、テンのほうがすごいんだと証明するために、人の子どもに変身して、人間の町に向かうのですが、なんと天狗に連れ去られてしまう。
 やがて、キツネ、タヌキらと「化け比べ」をすることに!

 本作を読んでいると、とにかく主人公がかわいらしい。ちょっと生意気なところをふくめて。他のキャラクターたちにしても嫌なやつがいないので、最後まで心地よく楽しく読めます。

 ほんわかした気持ちになれる読後感のよい短編をお求めの方に、ぜひ、おすすめです!

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