ゲームブック "Cages of Fear"
博雅(ひろまさ)
秀逸なシステムのダンジョン脱出系ゲームブック
英和辞書片手に挑戦するに値する、きわめて優れたゲームシステム・バランスのゲームブックです。2021年初出と、新しくはありませんが、ゲームの進行方向に 1d3システムを導入されたのは Joe 氏が初めてではないでしょうか。ダイスの目が1,2なら1ページ進み、3,4なら2ページ、5,6なら3ページ進む、という具合にダンジョンを徐々に脱出してゆき、ラスボスを倒せばゴールというゲームです。
・ガチで難易度が高い運ゲー
最初のステータスがポンコツなので、いきなりの初戦でまさかの敗退という可能性もあります。実際僕も最初の最初、もうガチの雑魚にボコボコにされて死にました。ほぼ運ゲーです。救いがあるとするなら、敵の攻撃用ダイスも同時に振るのですが、それぞれを別々のダイスで振る、といったところでしょうか(あまり変わらない気がするのですが…深く考えないようにしましょう)。敵は強いです。時折現れる泉などで回復することが出来るのですが、これが曲者で、たまに毒を盛られる時があるので、もはやダイスの運命次第といったところです。時折超強力な敵が現れますが、そんな時はHPに余裕があっても、適切な戦利品が得られそうになければ、できればスルーしたいところです。
・スキル
剣士か魔導士か盗賊か、といったジョブを選べるのはもちろん、経験値を得ることによるレベルアップ要素まで備えています(HP上限が上がったり、使えるスペルが増えたり、宝箱を開けるスキルが増えたりといった具合)。この規模のゲームブックとしては仰天モノです。
・イラスト
これもまた Joe 氏の手作業による見事なアートワークです。単なる骸骨戦士もそのバリエーションも、Joe 氏にかかれば見事に差別化を図った練達されたグラフィックと変化するのです。このイラストのお陰で、同じような敵しか出ないといったマンネリ感から脱することができます。安心して遊べます。
・お値段
洋書だから…いえ、そんな事はありません。2024年2月時点で、なんと1129円といった驚愕のお値段です。辞書を片手にタックルする価値はじゅうぶんにあります。
・長さ
だいたい120ページくらいで、僕の場合2時間くらいゆっくりかけてクリアできました。ですが、申し上げた通り、初戦でいきなり敗退することもままある鬼畜難易度です。決して長くはない短めのダンジョンですが、油断は禁物です。
・最後に
珍しいシステムのダンジョンクローラーを探しておられる方、ゲームブック洋書に興味がある方、その他あらゆるゲームブックファンにおすすめしたい一冊です。
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