エピローグ 新設した橋
鐘を鳴らして時が経ち。
僕と渚は度々デートするようになった。
付き合ったのだ。
お互いの過去や秘密を赤裸々に語り合い夜を越す。肉体関係はない異様な関係。
渚の部屋に寄ると、小説が多分に並べられていた本棚は跡形もなく消え去り真っ白な壁が増えた。渚も大学に通い僕と共に行動するようになった。勉強は嫌いだからサポートし甲斐があった。
それから沢山デートして大学を卒業した。
僕は税理士。
渚はネイリスト。
同棲については、渚の親戚から反感を買い揉め事になるかと心配だったが、既に縁を切っていた。特に問題なかった。
働き詰めの毎日は訪れたが、同棲を始めたから毎日顔を合わせれる。他愛もない話をして一緒に夕飯を。無意味に繰り返す日々が心地良い。平穏で幸せな日が今日も訪れる。
あれから夕凪は出てこない。これ以上彼女の狂気が誰かに孕まないで安心した。
しかし、油断はできまい。
一つに形成された人格はちょっとした出来事でまたいつ如何なる時に解離するかはわからない。
一応用人しておこう。
「さよならです。優次さん。また、いつか夕凪と遊びましょう?」
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