少し不気味で不思議な、珠玉の掌編ホラー集。一話が短いのでさくさく読むことができます。しかし、ひとつひとつが独創的でピリリとからいのです。ネット掲示板の名物ロア怪談「信じようと、信じまいと――」を彷彿とさせる構成ですが、怪談としてよりひねりが加えられていると感じます。
また、最後まで通して読むと、コズミックホラー的な展開が立ち現れてくるのも心にくい演出です。
個人的に特に好きなロアは
「二通目 羅針盤」→羅針盤、鏡、悪魔というロマンスあふれる要素が好きです。
「十二通目 岩」→タネ明かしが怖いけれど論理的で面白いです。
「二十通目 一口二音」→SF的な要素もあり、なぜ少女でなく成人女性だったのかのギミックが爽快でした。