『体が2つ、繋がる魂が2つ』/『「敵軍を睨んで、叫んでいるだけ」に見える人たちの重要性』/『参考文献「世界延命法 初級」』/『消えた心の内』/『感情のこもった声を「食べて、吐き出す」部屋』

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『体が2つ、繋がる魂が2つ』



 魔法使いは必ず双子で生まれる。

 人類は魔法を求め、実験を繰り返した。


 ある時代。

 1人の天才が魂の観測に成功。

 魂と魔法の因果を証明し、魔法は魂が2つ必要だと発見。


 魂の観測から数百年後。

 1人の狂人が魂の抽出に成功。

 魔法使いを目指し、自身に魂を注入。

 体1つに魂2つは収まらず、体が裂け失敗。



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『「敵軍を睨んで、叫んでいるだけ」に見える人たちの重要性』



 魔力が見え、魔力を操る魔法使い。

 魔法使いの魔法は、数千人の軍を壊滅させる。

 魔法使いに対抗できるのは、同じ魔法使いだけだった。


 戦場では魔法使いが睨み合い、呪文を叫び合う。

 敵に魔法を撃ち、敵の魔法を撃ち消す。

 魔法戦の勝敗は戦場に多大な影響を与えた。


 そんな魔法は、魔法使いにだけ見える。



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『参考文献「世界延命法 初級」』



 神は壁を作り、国を二つに分け、片方に武力と知力を与えた。

 そして、国力に覆りようのない差が生まれるまで放置した。


 本来、神の創造する世界は滅びが確定している。

 その滅びを覆すのは、神の力を持たない英雄。

 世界延命のため、この国は存在していた。


 神は壁を壊し、弱者から英雄が生まれるのを待つ。



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『事故が先か、紛失が先か』



 退院して久々の自室で、見覚えのない日記を8冊見つけた。

 日記には僕の記憶が、詳しく綴られている。


 表紙を確認するとNo.9のラベリング。

 他の日記も確認すると、No.10まである。


 しかし、No.5とNo.8が見当たらない。

 僕は事故で奪われた記憶が、そこにあると確信した。


「必ず取り返す」



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『感情のこもった声を「食べて、吐き出す」部屋』



 旅行に来ていた夫婦が、旅館の客室で口論をしていた。

 興奮して互いの声をかき消しあっている。

 時間をかけて話し合い、どうにか2人は和解した。


 夜、夫婦が眠っていると、部屋中に男女の怒声が響いた。


 夫婦が旅館から去ったあと。

 誰も居ない客室に、男女の悲鳴が響く。


「助けて‼」

「ここから出して‼」



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