第120話かつ丼は閉じられない
僕たち+妹はにこにこ顔でトンカツを頬張った。
なんというか、上品にたべている余裕じゃないほどに飲めるかつ丼と言ってもいいくらいだ。
口の中で蕩ける分厚いカツとまろやかな卵はたまらない。
なんだこの食べ物は今まで一度も食べたことがないそんなかつ丼にみんな衝撃を受けずにいられない。
食べる前に写真に納めればよかったと後悔している鈴木君。
ちゃっかり写真を撮っていたのは野口君と加藤君だった。
山内くんはこっそり写真を撮っていた。
「とんかつってこんなに美味しいものだったんだ・・・」
衝撃の味に野口君が今までトンカツを避けてきたことを地味に後悔し始めていた。
そんなつぶやきにツッコミを入れる加藤君
「これはとんかつ店でたべられないからね」
「僕もこんなカツ見たことも食べたこともない」と普段から高級店でお食事している鈴木君が言うので間違いはないだろう。
衝撃のかつ丼であるがみんなの認識はやはりトンカツだった。
かつ丼という幻のメニューではなくポピュラーなのはとんかつなのであるからだ。
男性客に出す場合すでに衣が剥がれている店が多い。
高級店であればあるほど事前に剥がれているのがふつうである。
安い大衆店などはそんなことはしないが・・・。
妹がちゃっかり一緒に座ってたべているけどなんの文句もいわれない。
だってお前の妹女っぽくないんだものっていう感覚なんだろうな。
流石二次元の住人だけあるはうちの妹よ。
それにしても近くで大好きな声優が話しているのに全く気が付かないものなんだな。
僕としても加藤君の正体バレが一番懸念点だったが特に問題ないみたいだった。
「佐々木君、夏休みだし毎日夕飯ご馳走になってもいいかい?」なんて野口君がわけわからんことを言い始めている。
「いや、それはだめでしょ。」と加藤君が冷静なつっこみをする。
「そうだぞ!抜け駆けはゆるさない!」とお稽古で忙しい鈴木君は野口君の横暴を許さないという即反対コールをあげた。
そりゃ、見たことも聞いたこともない美味しい料理をつくる同級生の自宅で毎日こんなご飯がたべられるのだからとみんなの視線は妹へそそがれるのだった。
ただ単に羨ましいと・・・。
みんなの視線が急に集まり吃驚して赤く染まる妹であった。
プチハーレム気分を味わってしまいアニメの世界に迷い込んでいるような感覚に陥っている。
実際に男性が多すぎててんぱりまくっているため加藤君の声もよく聞けてなかったりする。
妹的にいま夢の国なワンダーランドに迷い込んでしまったキャラクター気分なのだ。
佐々木家では見たこともないような料理がポンポンでているってそんなことあるかぁ!って僕の心の中のツッコミは皆にとどかないだろう。
一人で食べていたかつ丼が妹に見つかり、今度はみんなにみつかってしまった。
この後の展開を想像すると寒気を感じてしまいそうになるが、そうならない気もする。
だって知り合いにかつ丼系の社長何ていないのだから。
小鳥遊グループはラーメンとお好み焼きだし、サードはカフェだ。
最近あったのがうどん娘だが蕎麦屋のかつ丼はきいたことがあるが
うどん屋のかつ丼はきいたことがないので多分セーフ。
僕も気苦労がたえない、自分のたべたいものをつくるのもいいがそれを友達に広めると黒塗りの車に拉致られるというイベントが発生してしまうからだ。
恐怖黒塗りの長い車をみかけることなく楽しい夏休みを過ごせるか心配になってしまうぼくであった・・。
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この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません
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