非日常6

『ふぅん、まぁいいや。

 じゃあ二つ目は?』

『二つ目は、戻った過去でもう一度あの古本屋を見つけたとしても、

 過去に戻れるのは今の年齢までってこと。

 戻った人生で27歳まで生きて、その後30歳で古本屋を見つけたとしよう。

 その場合戻れるのは27歳まで。

 それ以前には戻れないよ。』

『なるほど。それは何となく妥当な気がするな。

 何度も何度も戻ることが出来ていたらそれこそチートだもんな。

 そんなうまい話は無いよな。』

『そうそう。そんなイメージだよ。

 うまい話なんてそうありはしないってわけさ。』


それでも、過去に戻れるというのは誰もが羨むうまい話なんじゃないだろうか。

今までの俺の身体に知らない誰かが入るなんていうデメリットもあるが、、、


『さ。そろそろ過去に戻ってもらうよ。

 僕もそんなに暇じゃないんだよね。』

『・・・わかった』


ここまで来てしまったら仕方がない。

記憶が残らないなら今ここでグダグダ考えていても無駄だ。

それにまぁ、これは夢だろうし、起きたら部屋のベッドの上だろう。


『それじゃあ、次に目を覚ましたときには記憶は消え、

 20歳の君に意識が戻っている状態だ。

 良い人生を。

『ああ、ありがとう。

 せいぜい人生を謳歌できるように精進するよ。』

『じゃあね。』


目の前の子供が手を振ると、急激な眠気に襲われ、そのまま意識を失った。

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