第13話・最大火力
レヴィアタンから発せられる攻撃を避けつつ、急接近していくサンカたち。
「このまま急接近して、一撃で倒す!」
サンカはそう言い、とても大きく、先端が帯電している槍を出した。
「地底湖だと、潜られててできなかった技。見せてやる!」
槍を向け、ブースターこはの勢いをさらに上げていく。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!」
億万のおかげもあり、邪魔してくるピラニアもおらず、難なく槍はレヴィアタンの体に刺さる。
すると、先ほどの電流よりも強い電気がレヴィアタンの全身に流れた。
甲高いレヴィアタンの悲鳴が響く。
それでも電流は威力を増していく。
相当ダメージを受けているのか、地面に倒れ込むレヴィアタン。
ピタリとも動かなくなった時に、電流も収まった。
それを見て、俺らも地面に降りる。
「はっ!どうだ私の最高火力!」
誇らしげに言うサンカ。
「あれだけ大人数でも倒れなかったのに、あっけなかったですね」
かながレヴィアタンに恐る恐る近づいていく。
藍色の鱗が、みるみる色を変えている。
「かな危ない!」
俺は咄嗟にかなとレヴィアタンの間に入る。
その後、腹部の辺りに針で少し刺されたような痛みのような感覚が広がる。
かなの方を見る。
見た感じ無事なようだが、目を見開いて俺の方を見ている。
痛む所をみると、氷柱のようなのが体を貫き、赤いエフェクトが氷柱と体の間から漏れ出ていた。
視界左上にあるHPゲージがみるみると減っていき、視界が薄暗く、ぼやけていく。
このまま死んでしまうのか……。いや、ゲームだから死なずに街に戻るだけか。
そんなことを考えていると、別の所に何かが刺さった。
それを見ると、注射器の形をしており、中の液体が体の中に入っていく。
その方にはサンカがおり、サンカが投げつけてきたようだった。
すると、視界が元に戻り、体の中にあった氷柱は消えて、体の穴は消え、元通りになった。
そして、サンカに引っ張られてレヴィアタンから飛んで離れる。
赤く変色したレヴィアタンは、大きな咆哮を上げ、周りに氷の柱をいくつも立てた。
「クソっ!もう少し注意しておけば!」
サンカがそんなことを言い、懐からレールガンを出して撃っていた。
「サンカ、さっきのあれをもう一回撃てばいいんじゃないのか?」
俺がそう言うが、サンカは首を振る。
「あれは大量にMPを消費して、次を撃つのに結構時間がかかるのよ」
そんな会話をしている間にも、レヴィアタンが氷柱を飛ばしてくる。
「きゃ!、なんか青色の時よりも危なくなってますけどぉ!」
かなも、さっきよりも激しい攻撃に悲鳴をあげている。
「だからプランB!ジン!ちょっと体を貸しなさい!」
「は?」
サンカが俺を掴むと頭に機械を被せた。
「ナニコレ?」
「はい次!手を出す!」
言われた通りに手を出すと、サンカも手を出し掴んできた。
すると、大量のアイテム受け取り通知が出た。
「ちょっと!どう言うことだよ!?」
「あんたのMP変換を使わせて貰うわね!」
サンカはそう言い、先ほどのレールガンよりも大きいレールガンを出した。
「さぁ!始めるわよ!全プレイヤー初の極太レールガン連射よ!」
そこからは一方的だった。
レールガンの弾は氷柱を砕き、レヴィアタンの体を貫き文字通り蜂の巣にしていた。
そして、俺の道具の中にあるサンカに渡されたゴミが次々と消えていく。
「消えろぉおおおおおおおおおおお!」
サンカの声と、レヴィアタンの叫び声が空間に響く。
穴だらけになっていくレヴィアタンが一瞬きらめく。
そして、周りが白くなるほどの爆発が起こった。
「!!」
俺は光に耐えられなく目を閉じた。
キーンとする耳鳴りと、ジェットパックではない不思議な浮遊感に包まれる。
それはまるで、別世界へ行っている感覚のようだった。
耳鳴りの遠くで、誰かが会話しているような音がした気がした。
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