五、作戦
夕餉の後、
(なんか、緊張するな……)
【
つまり、この先、
「
意を決して、
すると、机の前に座して字を書いている
(こう見ると、随分若い)
たしか、
しかし、修仙者は修行を重ねていくうちに容姿を最盛期に固定することができる。若返ることだって可能だ。
実年齢は優に百歳を超えており、
「
「は、はい」
てっきりその場で説教されると思っていたので、
(あれっ、怒ってない……?)
「
「えーと……」
しまった、具体的な日付は把握していない。周囲の様子から、
というか、
(やっぱり怒ってる……!)
(ううっ、転生早々説教は嫌だ……)
ここで
「
(どうだ! いくら憎い
我ながら卑怯な手である。
先程確認したところ、
それから、静かに筆を置いた。
「……明日からではなく、今日からだ。考えてみれば……私は試験に携わらなかったから、君の資質を詳しく把握していない。
「えっ」
「どうした」
「いえ……はい」
(やばいやばいやばい……! やばいッ!)
(まさか、もうバレた……!?!?)
流石に妖魔王のものとまでは分からないだろうが、魔道を修めたと勘違いされるやも……。
魔道すなわち禁忌、禁忌すなわち……死!
(こうなったら、逃げよう……! 好感度上げは保留、一時撤退だ!)
「す、すみません! 反省して一晩修行に励みます! 師兄、おやすみなさいっ!」
(
◇
一方、
そして、-
「なんだ、さっきのは……」
今までも他の修仙者の資質を確かめようと気を混入させたことは何度もあるが、こんな感覚は初めてである。
「っ!?」
「まさか、そんなはず……」
◇◇◇
宵珉は全力疾走で自室まで戻ってくる。そして、ぽすんと寝台に腰掛けた。
「はぁっ……はぁ……」
道中、同輩に「
(ううっ……
しかし、体内の魔力に気づかれるわけにはいかなかったのだ。
「ん……? 待てよ?」
はて、資質は修仙者選抜時に特殊な帳をくぐることで測られているはず。
「あ、」
そこで
「なるほど! これのおかげで
この薄い膜は『
宵珉は自分の身体であるから、秘魔の紗を通り越して魔力を感知できた。しかし本来は、相当な霊力を持つ修仙者しか見抜けない。
「一先ず安心だな。少し触れられるぐらいなら全然大丈夫だ」
例え
「他の皆からはどうにか隠せそうだが、問題は
なんといっても、
「どうすっかなぁ」
それが動機となり、最新話以降の話では、
……というプロットを考えていた。
「うーん……」
ここで少し、見方を変えてみると。
原作の妖魔王は極悪非道であったために、
では、その妖魔王が極悪非道ではなかったら? むしろ、
「そうだ、俺が
善良に生きてさえいれば、妖魔王の器だとバレても殺されないんじゃなかろうか。
しかも、
「ふっふっふっ、活路が見えてきたぞ……!」
少々姑息な考えだが仕方がない。
これで、この世界の生存ルートが見えてきた。
1.
2.主人公の
3.妖魔王の魔力を完全復活させない。
この三つが生存ルートの軸となる。
①は気を取り直して明日から努めるとして、②は
「まあ、気長にやろう……」
天井を見上げて呟く。
そうして、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます