66.「乙女は盲目」
彡l< O''
ーー誰かが駆け込んで来た。
「ェ''エェン!!モア''ァ助けでぇええ!」
ぅ''っ…!
「コリィヌ!?どうした?!ビッショビショじゃねぇか?
しかも、泣いてるし。
風邪引くぞ〜…今、あったかいティア入れてやるからコレで頭拭いとけ。」
「ぅん…グスッありがと、ソレイュ。」
ーー全身ずぶ濡れ。
どうやら、あの雨の中を走って来たらしい。
相当、恐いをして来たんだろう…。
「で、どうしたんだ?んん??」
「ぁ…あのね、アタシにはシェリィだと言ってくれる人がたくさんいるのは、ソレイュも知ってるでしょ?」
「ぁあ。それがどうかしたのか?」
「きっとそのうちのァペェソンなんだけど、付き纏われてるの!
始めは、昼で店からの帰り道だったから平気だったんだけど。
近頃、夕方の買い物まで付き纏われてる様になっちゃって…。
アタシ…恐くて、恐くて。」
「なるほどなぁ…それでモアか。
…ぁあ!モアが捕まえてやったら、いいんじゃねぇか!」
ーーまた勝手に安請け合いしやがって。
…。
…!
あぁ!そうだ‼︎
そいつで憂さ晴らししよう!
では。明日、夕刻に夕食を。
◎
「わ、わかったわ!」
絶対緊張するぅ‼︎
『コリィヌ…明日は逃げる時に君が転けて、怪我してしまうのは悲しいからそのつもりでね。』
キャ!ダメ、モアの声がっっ‼︎
わぁあ‼︎急展開!
まさか、モアから誘われるなんて!
でも、これはいい機会だわ!
モアと堂々といちゃいちゃできるッ!!
こんな美味しい思いができるなら、恐い思いも捨てたもんじゃないわッ!
ソレイュが、アタシがモアと食事する話をさせる。
付き纏い男を釣る。
モアが捕まえる。
だって‼︎
キャァァアア‼︎
アタシ上手くモアと話せるかしら⁇
待たせたかな?コリィヌ。
◎
わ、わぁあ‼︎
モアが、笑顔でお出迎えぇえ!
ぃやぁあ‼︎
胸が苦しいぃ‼︎
モアのこんな姿は初めて‼︎
座ろうか。
◎
モアにいざなわれて、入ってすぐの左側の席に座った。
ブランをもらおう。
「ウィ。」
「モア!今日は、誘ってくれてありがとう!とっても嬉しかったわぁ!
◎
ぁ、ブランが来た‼︎
なんか濃い‼︎けど、美味しい‼︎
飲み過ぎない様に気を付けなくちゃッ‼︎
「そう言えば…モアは、アタシのどこが好き?」
ぁ…あぁ?…アクアブルーの眼は綺麗だし…。
…◎
「うん!!」
ぇ…え、赤い髪は熟した果実の様で素敵だし…。
…◎
「ぅん!ぅん!」
ん…んん、笑うと笑窪が出来て可愛いところかな…。
…◎
「んふふふぅ!」
あぁ、モア。
アタシ事の事をちゃんと見てくれたんだぁ‼︎
「もう!モアたっらぁ!
アタシもモアは、ヴェルだと思うぅ!
髪も眼も顔も姿が全てが美しいんだもの!!」
そ、そう?…ありがとう。
◎
伝わってるかしら?
いくら作戦中の会話だと言えこの思いが…。
フヮフヮするゥ気持ちいぃ‼︎
「アタシね、グリィのベルル飼ってて。
ソノ子、モアにちょっと似てるわぁ。
シャシャって言うのよ…とってもとっても可愛いの。」
名前を呼んだら返事するの。」
わぁあふゎふゎするわぁ…ちょっと飲み過ぎたっ‼︎
んふふっ‼︎
「可愛くご飯をおねだりするの!
こんな風にっ…。」
◎
そうか、それは可愛いな。
ゃだッそう言ってるモアの方がカワイィっ‼︎
◎
そろそろ帰ろうか。送るよ
あっコケる!
ポスッ
◎
大丈夫か?コリィヌ。
◎
ドキッ
「だ大丈夫…よ。
ぁ、ありがと…ね。モア!」
◎
「じゃあねぇソレイュ!」
「ァビエント〜!」
あ、モアがソレイュに目で合図した。
アノの事、忘れてなかったのね。
帰り道…モアとアタシは、距離が近くなった。
モアがギュゥッとして来る。
モォウッ!人の気も知らないで‼︎
き、緊張する‼︎
ダッダメ!もう何をどうすればいいかわからない‼︎
ねぇ。その猫、他にはどんな事してくれるの?
ぐっと肩を引き寄せられた。
『後ろに来てるよ。ほら、腰に手を回して。』
耳ッ!耳元で囁かないでぇッ!!
密着度がすごいぃ。
ギュ
え?
更に近くなった!?
それで?シャシャは他に何をしてくれるの?
「そ、それでシャシャわね…。」
ど、どうしよう。
何話そう。
「シャシャは…。」
チュ
えぇえ‼︎⁈
来るよ。
ダッバシャッダッ
トン ペタン
走って来る音が聞こえて、モアに突き飛ばされた。
バキッ
「いてッ!こいつッ!!このぉおッ!」
ボキボキッ
「ウぎゃああぁ!!!」
え?すごいが音したけど、骨を折った⁇
いくらなんでも、折らなくても…。
モア、恐い。
「う''お''ぉぉぉ〜。」
お前、右側の隣りにいただろう?これに懲りたらこんな事やめろ。
コリィヌを困らせるな。
や、やっぱりあたしのロワイェェェェエエエッ!!
帰ろう、コリィヌ。
「ぇ、ええ」
どうしよう心臓が!!
おやすみ、またね。
◎
「ぁ!待ってモア、ペンヌには今回のメが入ってるわ!ほんとに助かったわぁ。」
あぁ、ありがとう。
「ァビエントぉ!
どうか…モアがティタニァに拐われませんよぅに…。」
あぁ、モア。
アタシのヴェルなロワイェエ…!
綺麗な翼の生えたシュヴァでアタシを迎えに来てくれるのっ‼︎
さっき渡したペンヌに隠れた、ミュウ柄の意味をモアは…わからなくていいの…。
渡せた事に意味があるんだから…‼︎
「ンフフフフゥッ!!」
>>と とん
「ただいま!シャシャ!
あのね、今日いぃ事があったのよ!」
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