創作者

墾田永年社会不適合法

完成

クラスのやんちゃな男子に目をつけられた。

入学式から二学期の今に至るまでひっそりと過ごしていたのに。


「おい、お前ノート見せてみろよ!」


窓際に座っていた私のノートを奪い取る。


「ちょっと...やめて...返してよ!」


「ん~と?私の心はいつまでも、夜空に光る星のように光り続けている。

 だっせぇなぁ、ポエムかこれ?痛いな~」


「いいから返して!!」


「あとは~、太陽は輝き続けている。だから私も輝き続けたい。

 だってよ、痛って~」


「もういいでしょ!!返してよ!」


「おいちょっと!お前も見てみ!」


私のノートをほかのクラスメイトに投げ渡した。


「何をしてるんだお前ら?」


担任の教師が教室に戻ってきた。


「!!」


さっきまで騒ぎまくっていた男子が黙り、教室は一気に静まり返った。


「あ~そうゆう事か...おいお前ノート貸せ」


「は...い...」


先生はノートを開き少しだけ見た後、私のもとに返してくれた。


「いい詩だね。こいつらの事忘れてやってな。先生はお前の書く詩が好きだから」


続けるように先生は言う


「いいか、人は思いを言葉に詩を綴り、醜い現実の苦痛を創作にぶつけるんだ。それの何が痛い?それの何が恥ずかしい?感受性の欠けた人間は、人の創作を頭ごなしに否定し罵る。私からすればそれのほうがよっぽど恥ずかしい。」



先生の言ったこの言葉が彼らに刺さったのかはわからないけど、私には深く深く刺さっている。

創作や詩を書くこと、それは自分の感性を信じること。

それに終わりはないけど、それは自分の思いに終わりがないということ。


今日もまた世界に詩が詠まれ、新たな創作が生まれる。







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創作者 墾田永年社会不適合法 @gyakusetu444

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