夢であれば。。。

すたりな

第1話 2024MMORPGと現実の狭間

「あ、あれ?私、目が覚めたの?」

 私はベッドの上で眠りから覚め、周囲を見渡す。明るい日差しが窓から差し込んできている。まるで夢から覚めるような感覚だった。


「でも、あの夢はリアルすぎる…」

 私は頭をかきながら、思い出した。夢の中で私は、ボス刈り事務所という場所で素材を集める任務に出かけていた。MMORPGの世界で、仲間と一緒にボスを倒して素材を手に入れるのが目的だった。


 しかし、素材が足りず街に出ることになった。街では野良PTと呼ばれる他のプレイヤーたちと一緒に行動し、彼らが手に入れた素材を逆オークションで購入する予定だった。私は決済機を持ち歩き、彼らに素材の代金を支払ってもらうつもりだった。


 夢の中で私は野良PTに参加し、素材を手に入れた。逆オークションでも他のプレイヤーより高値で素材を購入し、決済を済ませた。しかし、その際に私はカードを返し忘れてしまい、さらにゲームマネーももらい忘れてしまったのだ。


「あぁ、そうか!夢の中だけだったんだ…」

 私はがっかりとため息をつく。夢の中の冒険はとてもリアルで、まるで現実のように感じられた。仲間たちとの連携やボスとの熱い戦い、素材を手に入れる喜び。それが全部夢だったと思うと、なんだか寂しくなってしまった。


「でも、あの夢の中で感じた興奮や友情は本物だったんだよな…」

 私は自分に言い聞かせるようにつぶやいた。夢の中の冒険は、現実の世界では味わえない感動や経験があった。それはただの夢ではなく、私の心に残る大切なものだった。


「これからも、現実と夢の世界を行き来しながら冒険を楽しもう!」

 私は心に決め、再びMMORPGの世界に戻ることを決意した。現実の世界でも夢の中のような冒険を追い求めることはできないかもしれないけれど、夢の中で感じた興奮や友情を忘れずに、新たな冒険を始める覚悟を持ったのだ。


「次こそは、素材を手に入れて決済もちゃんと済ませるぞ!」


 私は力強く言い切り、再び冒険の舞台へと向かって歩き出した。

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