第37話 一休は声優に詳しい

「はぁはぁ・・・。」


「ガルルル‼」


いったい虎と格闘を初めて何時間経っただろうか?

僕の名前は一休。天才トンチ坊主である。


『この屏風の中の虎を出してください‼』


とドヤ顔で殿様に言ったら、向こうもドヤ顔で屏風の裏から本物の虎を用意しているんだから、トンチ泣かせとはこのことである。


「オーホッホ♪これは良い見世物でごじゃる♪」


殿様が虎に焦る僕を見て笑っている。この野郎。マッハスペシャルで近づいて行ってぶん殴ってやりたい。

笑っているかと思えば急に真顔になって「後半につづく」とか言い出すから始末が悪い。Aパート、いやCM中にまではなんとかしたい。


「一休殿‼頑張って下され‼」


そう言う新右衛門さんも応援するばかりで、全然加勢してくれないし、せめてグレートブースターぐらいは射出してくれ。


「がぁる‼」


「わっ‼」


虎の前足の爪が僕の胸を掠める。服が裂け、胸からは少し血が出た。避けることに徹していたから今まで何とかなっていたが、そろそろ疲労で限界である。

このまま僕は死んでしまうのか?そんな弱気なことを考えていると、僕にチーンといつもの閃きが。

そうだそう考えれば良かったんだ。


~十分後~


「ちっ、よくぞ虎を手名付けたな一休。ちっ、見事であったぞ。」


イチイチ舌打ちを途中で入れるなバカ殿め。そんなに僕に死んでほしかったのか?

僕が虎の頭を撫でると、虎はゴロゴロと気持ち良さそうに喉を鳴らした。


「それにしても一休殿。どうやって虎と仲良しになったのですか?」


戦闘のプロでもそれは分からないのか?僕は新右衛門さんに説明してあげることにした。


「新右衛門さん。簡単な事ですよ。CVです。」


「し、しーぶい?」


「虎のキャラクターボイスを早見沙織さんだと思えば、何も怖いことはありません。むしろ萌えました。」


「・・・へっ?」


ふぅ、こんな反応するだろうと思った。

【ラーメン赤猫】を見なさい。今期のアニメだから。

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