第16話

まもなく到着した救急車で元希は病院へと運ばれた。

授業がある日菜ちゃんを救急車に乗せて病院まで付き添わせるわけにはいかないので、1人になってしまった日菜のことは

周磨が

「学校まで送っていきますよ、オフですし」

と言ってくれたので任せることにし、母親の貴子が救急車で一緒に病院に行くことになった。



元希が頭を打って周磨が通報してから救急車が公園に到着するまで約30分。

この時、頭をアスファルトに強く打ち付けた衝撃で

呼びかけても応答が殆どできないくらい意識はかなり朦朧としていた。


10分ちょっと走った後、救急車が病院に到着すると意識が朦朧としていた元希はストレッチャーに乗せられ、そのまま集中治療室へ。




周磨に連れられて学校へと戻った日菜だったが、授業が始まっても朝のショックが大きいのと、病院に搬送された元希のその後が気になりすぎて、勉強なんて全く手につかなかった。


「波口さん今日なにかあったの?大丈夫?」


ボーッとしている時間が長くなっている日菜に気づいた芝崎友美しばさきともみ先生が声をかけてくれた。


「大丈夫です…先生ありがとうございます。」

「ほんとに大丈夫なの?なんか嫌なこととかあったら波口さんだけで抱え込まずいつでも先生に相談してね」


友美先生は今年、別の小学校から赴任してきたばかりの先生だ。

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