第2話

「はぁ...未舗装路を徒歩で移動するのはバス電車での移動に慣れ切った現代人には少しつらいよ」


「あら田舎役人なのに車の一台も持っていなかったのね」


「僕は東京出身だぞ。車が必要なんて四年目まで気づかなかった」


などと話していると遠くに街が見えてくる。壁などはないようなので人間同士の争いはなく、脅威となる外敵はあまりいないようだ。


「あの町は工芸品が盛んで、王ではなくギルド、販売から保険まで何でもやるJAのような立場の組合が統治しているの」


「ということはあの町は年功序列なのか」


「いいえ基本的にみんな職人気質で経理や食料品や原材料の輸入、生産品の輸出入なんか考えたくないしわからないから押し付け合いよ」


「えぇ...」


「良くも悪くも一つのことに熱中するタイプの人ばかりなのよ」


「あの町、宿なんか誰もやってないからギルドに頼るほかないのよ。閉まるのが早いから急ぐわよ」


「どこへ行ってもお役所の仕事は変わらんのだね...まあ働く身からしたらありがたいことだが」



近づくにつれて気づいたが、あの町すげえうるさい。

何よりなんか揺れてる


「工芸品とは聞いていたがもしかして金属加工、それも鍛造か」


「おしい、20点。正解は金属加工も木材加工も手芸品も織物も何でもやってるわ」


「中世だなんてとんでもない!近世、それも工業都市じゃないか」


「まあエンジンがついてないから職人街のほうが正しいわね」


「文化について気になる早く行こう!」


「都会っ子にはきついという話はどこにいったのかしらね」


結局かなりの距離を歩き、ギルドの前についたのは閉まるギリギリだった(遠くに見えたから当然)

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