ケモミミ傭兵お仕事日記

広報部のK

【イントロ】狼傭兵、始業のお時間です

 朝のアラームが鳴り、また仕事の日が始まる。僕はそんな日々に飽きていたが、充実感はどんな仕事よりもあった。

「おはようございます〜す」

 会社の中では報告レポートを仕上げている人だったり、経理を担当している方が悩んでいたり、外からは同僚の訓練の声が聞こえたり......

「おう。今日は早いな」

 部隊の仲間の挨拶が聞こえたりする。

「昨日のレポートがまだ書き上がっていないんだよ。なるべく残業したくないから今日は早めにきた」

「そうか。珍しいな、お前がレポートに追われるなんて」

 冗談めかして上司が笑う。いつもは任務の方が忙しく、事務仕事は手早く終わらせるのが常だった。

「まぁ、たまにはこういう日もあるさ。頑張ってやってこうぜ」

「了解で〜す」

 書類の束をめくりながら適当に相槌を打つ。外では訓練の掛け声が高まり、金属音が響く。今日も変わらない一日が始まった。

「あとはレポートの印刷待ちか」

 僕らの仕事に終わりはない。狼傭兵にとって、日常とはただ次の戦場までの待機時間のようなものだ。

 コーヒーを口にしながら、ふとモニターの通知が目に止まった。


《ブリーフィング開始まであと5分》


「さて、始業のお時間だ」

 書類をまとめて立ち上がり、戦場へと向かう準備を始めた。


さて、お仕事開始といきますか!

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