ライトノベル奮闘記~望まれる物と、書きたい物の狭間で~

　のび太くんはなぜ成長しないのか？　それは成長しては困るからだ。

　のび太くんが常に困り果て、ドラえもんに泣きすがる……から始まるいつもの黄金パターンが、のび太くんが成長してしまっては使えなくなる。いつまでも同じところをグルグルと周るように、同じパターンを繰り返せなくなるからである。

　これはバトル物の作品などにも言えた事で、例えばドラゴンボールの最終回付近などは、それが顕著だった。すなわち、同じようなバトルを繰り返させるために、追加設定に追加設定を更に加えるような真似をしてまで現状維持を謀り、連載を続けたのである。

　とかく商業作品には、そんな話が多い。読者に受けるパターンを連載開始から数話で作って、あとは飽きられるまで、そのパターンにアレンジを加えながら永遠と連載を続けるのである。

　好き嫌いは個人の自由ではあるのだが、少なくとも僕は、この手法をとうの昔に飽いている。同じ作品から、同じ刺激を定期的にただ摂取しながら、徐々にどうしようもなく飽いていく、その工程にうんざりしてしまったのだ。