第27話 オストマン帝国
オストマン帝国
オストマン帝国の皇帝イグナートは、アクロフ大将を呼んでいた。
「アクロフ大将に、此度のマリアロ遠征の総指揮を担当してもらう」
「はっ!帝国に必ずや勝利をもたらしたいと思います。」
正式な場での指揮官の任命は終わり、個人的な話しの為、場所を変えイグナート皇帝とアクロフ大将が話を始めた。
「今回の遠征は頼むぞ。海を手に入れるチャンスだからな。」
「はい。帝国悲願の海を今回の遠征で手に入れて見せましょう。しかし、ランスルフーロ王国の勇者ケイトも動員されるとなると、オストマン帝国の功績は少なくなりそうです。」
アクロフ大将は少し顔を顰めて言った。
「別によいではないか。我らが欲しいのは海だけなのだ。他はただの副産物にすぎん。しかもランスルフーロは超人も4人投入すると情報が入って来ておる。できればマリアロと削りあってもらおうではないか。」
「確かにそうですね。ならば、ランスルフーロ王国軍の方が先にマリアロに入るように致しましょう。我が軍は少し後に入れば、マリアロは先にランスルフーロの方を叩くでしょう。」
皇帝イグナートとアクロフ大将は、一旦マリアロ遠征についての話しを終えた。
「それにしてもアクロフが負けるとはな。それほどエレンジア王国は強かったか。」
アクロフ大将はため息をついた。
「はい。エルフ族というのは根本的に人族よりも魔法や視力に優れております。特に魔法が優れているのは厄介ですね。魔法師を多く保有することの大切さを学びました。」
「魔法師の素質を持つ者は少ないからな。そう簡単には増えないか。」
「魔物を多く狩る事によっても魔力や身体能力を向上させら事が出来るお聞いた事がありますので、軍にも魔物を積極的に狩らせてはいかがですか?」
「難しいな。それをするには冒険者組合が邪魔をしてくるわ。あそこは大陸中に広がっているからな、無闇に手を出せん。」
「帝国内にあるダンジョンだけでも、国の管轄にしたいものですがね。」
ダンジョンは世界中にあり、多くの魔物がいる。ダンジョンの外にいる魔物とは違い倒すとドロップ品をだし、死体はその場で消滅する。
この帝国には8つのダンジョンがあり、どれも冒険者組合に管理されている。
大陸中のほとんどのダンジョンは冒険者組合が管理しており、冒険者組合がないのは、エレンジア王国など人族ではない種族の国だけとなっている。
「ダンジョンこそ無理であろうな。ダンジョンは利益が莫大に出るからな。しかし、冒険者組合がスタンピードを起こさないようにしている事だけは感謝しないといけないな。」
スタンピードとは、魔物がダンジョンから溢れ出る事である。
主な理由としては、魔物が増えすぎた事よるスタンピードか、強力な魔物が上の階層に出てき、上の階層にいた魔物が外に出る事によるスタンピードの2つが一般的なである。
「アクロフ、今回の遠征は長くなるかもしれんが全力を尽くせよ。」
「はっ!もちろんでございます」
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人族の特徴
人族の平均寿命は60歳前後となっている。エルフやドワーフなどよりは短いが、その代わり高い繁殖力により大陸のほとんどの国家は人族が治めている。
人族の長所は繁殖力と全てにおいて平均的な能力を持っている事である。列強の国々では、人族以外の列強は1カ国しかない。
よく人族は文明が他の種族より発展している事から発想力に優れたり、賢いと言われているが、他の種族と比べて発想力や知恵に優れているという事はない。
人族の文明が他の種族よりも発展しているのは、人族の人数が多い為に天才的な人物が他の種族よりも多くいるというのが発展している理由となっている。
皇帝イグナート
皇帝イグナートは後の評価ではオストマン帝国の中でも名君の中に入っていると言われている。イグナートの事を彼が得意な火の魔法になぞらえて、[炎帝]の二つ名が定着している。
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