閻魔が恋をした

 裁きを下す存在が、ただひとりの人間に心を奪われる。その瞬間から、運命は静かに狂い始めます。

 閻魔の視線の先にいるのは、無垢な花屋の娘。日々を懸命に生きる彼女に惹かれ、彼は“焔炎真”という名を持つひとりの男として彼女のもとへ向かいます。抑えきれない想いと、決して越えられない境界線。ふたりの関係が深まるほどに募る切なさ。

 愛を知り、温もりを得て、それでもなお、彼が選ばなければならなかった道。手に入れたものと失ったものの重みが、余韻となって胸に残る物語です。

その他のおすすめレビュー

Maya Estivaさんの他のおすすめレビュー932