これはぜひ、できれば前情報なしで読んでほしい作品です。
タイトルや冒頭の雰囲気から受ける印象を、いい意味で裏切ってくれる構成がとても魅力的でした。
まず、一幕の歴史オタトークが普通に楽しいです。歴史好き同士の会話にちゃんと熱があって、知識のひけらかしというより「好きなものを語っている面白さ」がありました。
そのうえで、読み進めるほど人物たちの関係が見えてきて、後半はニヤニヤしながら読めました。とくにあるキャラクターはかなりの策士ぶりで、「そう来るか」と思わされます。このあたりはぜひネタバレなしで味わってほしいところです。
一方で、ちょっと不憫な立ち位置の人物もいて、そのあたりも含めて人間関係の転がし方がうまいなと思いました。重くなりすぎず、でもただ軽いだけでもなく、読後にちゃんと印象が残るのが良かったです。
歴史ネタが好きな人はもちろん、会話の面白さや構成の仕掛けを楽しみたい人にもおすすめです。
細かいことは知らないまま読んだほうが絶対に面白いので、未読の方はぜひそのまま読んでみてください。