作者は読者


 小説サイトでのあるあるを扱った、或いは近頃の物書きでの共感性を利用した失笑と思考議題が芽生えるまさかまさかの作者向け作品。

 作者向け、と述べたものの語り口は緩く前向きで誰にでも門は開く立ち回りです。



 これはちょっと、予想外で実に面白い。正直私は面食らった。この作品の続きが欲しいと割りと普通に思う。

 挑戦的でもあるし創作活動を終始ポジティブに捉えつつ試行錯誤――創作活動のあれこれ――を体験出来る。これ、ちょっと構築的にほんまに面白い。


 創作活動を通して現代の物書きの在り方や、物書きが集まる場へのある種皮肉と捉える事も可能であるし、そうした変な逆張りをしなければ創作活動の楽しさを気楽に追体験させる中々に秀逸な作品。

 扱うテーマや立ち回りに依っては方向性が変わるのでプロットの観点やメタファーとしても面白い試み。

 はあ、こりゃまた一本取られました。

 あ、当然、面白かったです。