第92話 美女とバッタ②
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〈
その真偽は定かではないが、とにかくミリナは神官になり、このスキルを手にした。
ミリナとレナ。互いに準備は完璧に整った。
「はじめましょう——〈
始まりはやはりこれだった。
無数のバッタが飛び回り、2人の視界を遮る。
「〈
レナは姿を消す。
「一体なんなの……!」
敵がバッタであることは聞いていたが、こんなスキルを使えるとは聞いていなかった。
ミリナはレナを見失ってしまう。
「〈
しかしそれも長くは続かない。
透視の魔法によってバッタに隠れたレナを発見する。
「〈
「〈跳躍〉!」
レナは魔法を交わすと、
「〈
攻撃に転じる。
「〈
それをミリナは魔法の壁で防いだ。
〈
邪なる者からの攻撃を防ぐ防御魔法だ。
『邪なる者』とはつまり、魔物であり、
このゲームのなかでミリナが信仰する宗教では、魔物を『穢れ』とし、その穢れを祓うことこそが神官の最も重要な仕事であるとされている。
レナが魔物であることは、ミリナにとっては好都合。
〈
相性では完璧にミリナが有利なのだ。
レナが放った〈
「……チッ」
舌打ちはレナ。
「貴方の攻撃は、私には通用しません! 死んでください——〈
ミリナが再び魔法を発動させると、結界内の空気が光を帯び始める。
キラキラと光るその粒子は、魔物にとっては毒だった。
レナの息が上がる。呼吸がしづらいのだ。
「〈
その空気を払おうと試みるが、光る粒子は動かない。
(長期戦は無理……か。相性でも装備でも、圧倒的に不利。ミリナからすれば、あとは私の攻撃を耐え続ければ良い……)
追い込まれた。
レナは圧倒的に不利なフィールドに立たされたのだ。
(でも……そうね。教えてあげましょう。温室育ちのお嬢様とは『ココ』のデキが違うってことを、ね)
『ココ』とは頭——頭脳のことである。
「〈
槍はミリナに向けて飛ぶが、直撃する前に霧散する。
「きゃっ!」
しかし、効果が無いわけではない。
霧散した酸は、確かにミリナに届いた。
それでも、ダメージは微々たるもの。
「〈
ミリナはさらに防御を固める。
防戦気配が漂うが、ミリナからすればそれで良いのだ。とにかく耐えて、〈
それに、いざとなれば『切り札』もある。
〈
(……仕方ないわね)
魔法がほとんど効かないことを悟ったレナ。
「〈跳躍〉」
ならばと〈跳躍〉で距離を詰める。
接近戦に持ち込むためだ。
これにはミリナも面食らったようで、ほとんど反応できない。
〈後脚強靭〉
そんなミリナを、使う機会がほとんどなかったスキルで蹴飛ばす。
ミリナは数メートル吹っ飛ばされる。
なおもレナは追撃を与えに行くが、流石に何度も喰らってはくれない。
「〈
なんとミリナは、〈跳躍〉で向かってきたレナを強烈な風で飛ばした。
相当量の魔力がなければできない芸当である。
「〈
攻撃の手を緩めないレナ。
槍は再び霧散し、霧散した酸がわずかにミリナまだ届く。
だがミリナに焦った様子はない。
ミリナが戦闘前に使用した〈
「〈
当然だが、自分でも回復魔法を使える。
持久戦を行う上ではこれ以上ない魔法構成である。
「
ミリナは止まらない。
この状況でもなお、防御を固める。隙はなかった。
レナの限界は近かった。
常に体力と気力が削られていく感覚があった。
「〈
そんな中で放たれた攻撃魔法は、十分レナを致命傷に至らしめる可能性があった。
息が苦しく、身体も重い。
だがこれを避けなければ、勝敗は決してしまう。
〈回避〉
精一杯の力を振り絞って魔法を避ける。
「〈
そして再び透明になるが、
「無駄です!——〈
すぐに透視される。
「〈
さらに攻撃魔法。
ミリナの指先から放たれた小さな小さな光の球は、ゆらゆらとレナに向かっていく。
十分近づいたところで、ミリナがパチンと指を鳴らす。
それが合図。
光の球は一気に弾け、眩い光を放出させた。
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