第4話:極限の窮地に現れし者
騒然たる魔物の群れに向かって、颯爽に駆け出すリオスにグロリアはただただ恐怖するだけだった。
リオスは手前の
それだけではなく、凍える蒼炎を纏し怪鳥、
「
大地を捻じ曲げ、壁を創り、防いだ。この零級魔法は土壌を耕したり、土器を作る程度の威力だが、大地そのものを操る高度な魔法に変貌していた。
今度は、長首に純白の刃がついた赤い水玉模様の黄色い麒麟、
「いと恐ろしき悪魔の皇帝よ、我が敵に闇の恐怖を与えよ、
闇の煙に覆われた二体の魔物は幻覚を見たかのように恐怖で暴れた後、苦悶の表情で泡を吹いて、ビクビクと身体を引きつかせながら、倒れた。
初歩的な呪術である
「経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値経験値」
リオスは危なげながらも、魔物の群れを相手に無双をしていた。
まるで、彼の目に映るもの全てを獲物にしようとする狂気さえも感じるほどグロリアは畏れ始めたが、すぐに違和感に気付いた。
彼は息切れが激しく、過呼吸になり、傷は無くとも、打撲痕が目立ち、魔物たちの攻撃を回避出来ないのが多くなっていた。
ある時は長い尻尾が蛇腹剣のようなピンクの刃を持つ紫の鰐、
ある時は要塞の如き白銀の甲羅を持つ大亀、
さらには九つの頭を持つ黒き巨犬、
気付けば、魔物に包囲されているのにも関わらず、リオスは膝が堕ち、倒れそうになる。
それでも、彼は何かに取り憑かれたように魔物を睨み付け、懸命に立ち上がろうとする。
しかし、
この光景を見たグロリアは余りの恐怖で助けの声さえも出なかった。
その時だった。
「全く、リオスの癖に無茶し過ぎよ。」
緊張感の抜けた声が現れたと思えば、リオスを包囲したはずの魔物の群れが爆炎に包まれ、一瞬で大量の黒き消し炭が生じた。
グロリアは余りの衝撃にやはり声が出せないが、リオスの頭上で目撃した。
赤髪のツインテールと赤い瞳を持つ美少女を。
緑の葉脈柄のローブの上に赤い外套を羽織った姿は正しく
特筆すべきは彼女の細長い耳、その姿こそ
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