第11話 異能の双子と神の宝 3
双子が十七歳の年である。
周りの豪族たちの子息たちから比べると、幾分か遅い成人だった。
誕生の夜にふたつの星が墜ち、竜の生まれ変わりと噂された男子。それぞれに成長したものだ。
「
「はい」「はい」
「
ヤマト帝国建国の戦いから時もたち
「はい、父上。必ず父上に満足していただける仕事を成し遂げましょう」
「
われらは強い
「はい」
宰相の邸で執り行われている成人の儀を遠くからうかがう者たちがいる。
ずっと双子を追っている、鳥の名を持つ黒い男たちだ。
「どうやら、片割れは
「
目が利く男は
「あの宰相は信じられるのか?父親を裏切った男だろう?かと言って、
「いろいろと事情があるのさ、俺たちは知らないほうがいい事情が」
話しながら
なにか仕掛けるか。
「なぁ、
「
「
「神宝は神に国を任されたという印だろう?大事に宮中の奥に祀ってあるんだろう」
「あれはそういう物ではない。使えるのは
なにかひらめきそうだ。
人間離れした勘のいい少年は
だめだ、まだ何か足りない。仕掛けは念入りにやらねばならない。
「また、悪だくみか?
「悪だくみどころか、神の御心に沿うことだ。
先ほどまでの青空は急に湧き出た雨雲におおわれて、棲み
「長雨になるかもしれぬな」
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