第77話 壊れて壊れて壊れて壊れて
一億秒が経過。
また一億秒が経過。
またまた一億秒が経過。
一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒一億秒。
いちおくびょう、いちおくびょう、
あ~~~~~~いちおくびょ~~~~~~~う
ふう、飽きた。
ちょっと気が狂ったフリをしてみた。
こんなくだらないことでも退屈は僅かに紛れてくれる。
素数が何なのか忘れてしまったので、またひたすら一億秒をカウントしていた。
次は一億から七ずつ引いていく遊びをするか。
計算に頭を使うので集中できるのだ。
ただし途中でミスをすると、やるき気を失うので注意しなくてはならない。
ヒナタ「そんなことしてないで私と話そうよ」
これはイマジナリーフレンドのヒナタだ。
極限の退屈状態であたしが生み出した空想の人物である。
フランクな性格で会話がよく弾むのが楽しい。
ヒナタ「当然でしょ。私は天才なんだから」
本当はひどく虚しい。
だけどこれくらいしないとやっていられないのだ。
架空の人格は幾度となく生まれてはいつの間にか消えていく。
果たしてヒナタは何人目だったか。
きっとあたしが飽きたら別のキャラが出てくるのだろう。
ヒナタ「やめて、私を消さないで。一緒に頑張ろうよ」
説得されても無理なものは無理だ。
あたしの頭はもう壊れていた。
というか、頭なんてもう存在しない。
じゃあ何が残っているのかと言えば、魂とか精神とか心とか……そういうもの、だと思う。
冥王にあれだけ念入りに殺されたのによく消滅しなかったと感心している。
ヒナタ「ミアちゃんはすごいね。さすがだよ」
ソウジ「しぶといよなぁ。さっさと潰れれば楽なのによぉ」
あっ、新キャラが出てきた。
しかもあまり好きじゃないタイプの性格である。
正論なので言い返しづらいのが余計に駄目だ。
今回はヒナタに残ってほしいなぁ、とあたしは思った。
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